2013年に発生したボストンマラソン爆弾テロ事件の映画化。実際の事件からまだ数年しか経ってなく、不謹慎に聞こえるかもしれませんが面白かった。ピーター・バーグ監督とマーク・ウォールバーグは何度かタッグを組んでいますが、個人的にその中の作品では今のところ最高傑作です。
序盤は映画の主要人物の事件前の日常が描かれています。夫婦の他愛もない会話だったり、女の子ウケする車を自慢する男の会話だったり…それが爆弾事件により日常が一変する様の前フリとして非常に効いていますね。
そして起こるボストンマラソン中に起きる爆弾テロ。ここの映像が本当に恐ろしく、まるでテレビ中継のような生々しさや悲鳴、そして飛び散る血や建物など地獄絵図を容赦なく見せつけてきます。ここの演出は非常に怖く、テロや事件の非情さが伝わるシーンだと思います。
そこからマーク・ウォールバーグ演じるボストン警察の巡査部長を筆頭に、犯人を追い詰めるFBIや警察たちが描かれます。名役者たちの緊迫感溢れる演技が物語にも深みを与えていきます。特にFBI捜査官を演じたケヴィン・ベーコンが良かったです。
これは同監督作の『ローン・サバイバー』にも言えますが、単なるアメリカ万歳映画になっていないのもポイント。犯人側のドラマもしっかりと描いていますし。事件の犯人を演じた兄弟も良かったです。あとは実際に被害に遭われた方々にも勇気付けられましたね。人間の強さに感動します。
これは余談ですが、途中で犯人が9.11アメリカ同時多発テロの陰謀説を人質に問うんですよね。9.11テロの自作自演説はよく言われていますが、実はこのボストンマラソン爆弾テロもアメリカの自作自演ではないのか…と一部で言われているそうです。
もしや監督は9.11の会話を入れることで視聴者に何かを伝えようとしているのでは…？信じるか信じないかは貴方次第です。いや、ねーか笑。
