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ランナウェイ 逃亡者のbluestarのレビュー・感想・評価

ランナウェイ 逃亡者(2012年製作の映画)
4.0
ロバート・レッドフォードが監督と製作、主演をした2012年の作品らしい。

ベトナム戦争に反対して活動家になった一部過激派達が起こした銀行襲撃事件が、、というあらすじと、ロバート・レッドフォード主演というので、興味が出て観てみました。
話の筋も、俳優人も、映画の雰囲気も好きな感じ。
そして、キャストが豪華で、役者達は皆良い!
スーザン・サランドン、ニック・ノルティ、サム・エリオットと
名優がいっぱい出ていておぉ!となりました。

レッドフォードは、目の輝きが若い時と変わらずステキでしたが、お顔のシワと、小走り姿に老いを感じました💦この撮影時で70を超えてるので、まあ、そうですよね。
でもやっぱり品のある佇まいと微笑みはそのままで素敵でした。

シャイア・ラブーフって何かで見た顔だなと思ったら、やっぱりいろいろな映画で見た方ですね。
まだ34歳らしい(2020.10現在)
良い役者さんだな、と思って調べてみたら、結構飲食運転事故とか起こしてて、ヤバめな人なんですね…。

話はそれましたが、、

学生運動時代の後に育った自分は、その当時の熱い時代の空気に何かしら羨ましさを感じ続けてていたのだけど、
平和を願いベトナム戦争を反対した若者達の運動が、次第に一部がテロのような過激なことをし始めて、真っ当に非暴力で活動していた人達まで活動がし難くなり、世間の目も厳しくなるって言うのは今の時代にも通じる悲しいかな世の常なんですね。


⚠️ここからネダバレ 


逃亡生活を続けながら反体制を貫くミミにしても、結局生きて行く為に、麻薬の密輸に加担して生活をしのいでいるのだから、全然正義ではなく単なる過激派と見られて当然で、ただのイタイ人に見えるのが悲しいかな…。

元パートナーのレッドフォード演じるジム(ニック・スローン)に、昔のままだと言われても信念を曲げずに、自分が投降するのは、大企業や政府が詫びた時(だったかな、詳細覚えてなく大筋そんな意味だったはず…)というような、30年前から時が止まった様な生き方をしている。

ジムは自分はその後は別の道を生きていることを話し、自分(ジム)の身の潔白を自主して話して欲しいと頼むのだけれど、まだ幼い自分の娘の将来のためだけではなく、ミミの生き直しを願う気持ちも有っただろうと思えました。

ジムが新聞記者のベンに、君もあの時代に居たら運動に参加していたよ、的な話をしていたり、
平和活動を昔していた歴史学の大学教授が、ジムに会ったときに、学生に学生運動の講義すると皆熱心に聴きにくるが、FBにアップしてお終い、と現代の若者の社会運動離れを揶揄しているのも、
レッドフォード監督が映画を観る若者達に、もっと自分達の生きる社会を当事者として関心を持って欲しいというメッセージじゃないかなと感じました。
その大学教授にジムが学生運動という「ストーリー」を(講義で)伝えてくれてありがとう、というのも当事者としての自虐ネタですね。


この映画の平均スコアが低いのも、社会運動への関心の低さの表れかもしれません。

人が1人死んだ事件にまつわる話だけれど、本編で人は誰も死なないし、ストーリーはしっかりしていて、サスペンスとしても、若い記者が執念を持って熱く追求する姿も加えて面白かったです。

今の日本の新聞記者も単なる就職エリートや、どこかの広報機関になりさがらずに、ジャーナリスト魂を込めて仕事して欲しいですねぇ。



#社会派 #ロバートレッドフォード
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