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ひまわりのbluestarのレビュー・感想・評価

ひまわり(1970年製作の映画)
4.0
GAOの戦争映画特集で見つけて、今更ながら初視聴。

マルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレン主演の名作。
この作品だったのか、と何度も何処かしらで聴いてきたヘンリー・マンシーニの名曲が哀愁たっぷり響きます。

戦争によって別の人生を歩まざるを得なくなった2人を描く大人の映画でした。
とても間の取り方が良くて、自然な流れで説得力があり、感情移入させられました。

ソフィア・ローレンの演じるジョバンナの、辛い境遇でも強く生きる姿、行動力と潔さと、そして夫への愛情だけではなく、人としての人情味は、観ていて共感を覚えます。
マストロヤンニ演じるアントニオも良かったけれど、やはりこの映画はソフィア・ローレンが見ものでした。

イタリア人はいかにもイタリア人ぽく、
ロシア人はいかにもロシア人ぽい人が演じていたので、わかりやすいですね。

こちらイタリア映画だと思い込んでいましたが、イタリア・フランス・ソビエト連邦・アメリカ合衆国の合作とのこと。
1970年公開で、冷戦中に初めてソ連で撮影された西側諸国の映画だそうです。

画質がHDレストア前のもので、良くなかったですが、芸術性、映画の筋立て、映像、音楽、演技ともに名作と言われるだけに素晴らしい映画でした。

ひまわりが広大な土地一面に咲く様子は美しいですが、そこは戦果に倒れた人々が眠る墓地で、ひまわりは墓標というのは圧倒されます。
ロケ地は今のウクライナだそうで、そのため今年は上映会が多くされているようですが、時代が過ぎても止まない戦争の早い終結を願います。

余談で、アントニオが家族と住んでいた街の駅の線路からは何やら原発の炉のようなものが並んで見えていまして、なんだろうと調べたら、知恵袋で火力発電所の冷却塔だと出ていました。なるほど。
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