【多くの惜難点を越え光り輝く歌唱】
恋の抒情性を高める美しい撮影と繊細な照明。 クリエーターを苛む商業主義と作家性との相剋と、消費文化と化す現代ミュージックシーンへの危惧。 そして主演大原の愛らしさと心鷲掴む熱唱、等 光る点は多い。
特に大原の歌唱と 亀田誠治プロデュースによるキャッチーな楽曲群のレベルは高く、久々に観賞後CD購入に走った程。
だが、小学生が思い描いたかの様なおままごとな恋愛劇や、主演佐藤の鼻につく[かっこいい男]演技。 商業性と作家性との相剋のテーマも踏み込みが浅い為に 単に青く稚拙に映る。 愛らしい大原もあくまで[絵的]に愛らしいだけであり内面からの-人間としての-愛らしさが稀薄で二次元的、等々 多くの惜難点も目立つ。
だが、それらを越え光り輝く大原の歌唱が強烈な求心力を放っている。
《劇場観賞》