東宝の特撮恐怖映画『血を吸う』シリーズ第一弾。このあと第三弾まであります。
70年代の邦画に洋テイストがうまい配合で混じり合った怪奇、幻想映画。ステキ。
夕子さんも悪魔的でステキ。
日本を舞台としたゴシックホラー(城を舞台とした超自然的な怪奇もの)を想起させてもらいました。
古い邦画って印象だったし、一時のJホラーのようなものだと思っていたら、まるで違ってて嬉しい誤算。
お化け屋敷看板風のジャケに気遅れして、今まで観なかった事を激しく後悔。
三部作の中ではこれが一番好き(結局全部観た)。他の二作と別次元に感じたんです。
こんな映画もっと他に無いんでしょうか…。
雷雨の中、タクシーで山奥の中の洋館に恋人を訪ねる青年。
だが、半年ぶりに訪ねた恋人は半月ほど前に交通事故で亡くなったという。
洋館に住む使用人、源さんのファーストショットも怖すぎでね!
あんな人に玄関で出くわしたら、まずこの洋館に泊まろうなんて思えないかも。
車中泊しようかな。
もう序盤だけで只事じゃないムード。そして風の吹く音にも似た女の叫び声が洋館内に響く夜。
音信不通となった兄を探しに、恋人と共に洋館を訪れる妹。
妹は松尾嘉代さん、美しいですわぁ。
妹の恋人役が若き日の中尾彬。
今より癖が少なそうな普通の青年。ねじねじ。
この恋人同士は陽キャラで映画にメリハリを与えてくれます。
中尾彬はおまけ付き添いな感じ。
松尾さんのヒロイックな展開が好きです。
登場人物の中では、凄く狂ってる人がいて、そこらへん物語に猟奇性をプラス。
異星人か妖怪のように異質さを漂わせた夕子さんが、怪奇性をプラス。
特撮も怪奇色強くていいですよ〜。
終盤の凄惨さ、非業の運命、因果応報すらも感じさせる。
その余韻に浸る事なく、最終カットにエンドロールが流れ…。
名探偵コナンの終わりを思い出させますね。
古い映画なのに、今観ると新しく感じるのが不思議なんだな〜…。