プラターズのThe Great Pretenderが上手に使われているのも嬉しい。恋の痛手を人に見せまいとする男の歌だけど、ここではレスリー・チャンが気持ちを隠していることをうまーく表現しているかのようだ。ただ恋愛映画としてはレスリー・チャンとフェイ・ウォンがあまりにも感情を抑え込んでいるのでちょっとじれったくもある。だいたいフェイ・ウォンは表情に変化がない人だし(故に「2046」のアンドロイド役は巧かった)。この映画で頑張っているのはレオン・カーフェイ。「南京の基督」や「愛人/ラ・マン」とは違ったコミカルな役柄で見事に好演。友情出演の加藤昌也もよかった。レスリー・チャンの相棒役ヴィンセント・コクは、ジャッキー・チェン主演作「ゴージャス」の監督・脚本を手がけた人物でもある。そういえば、劇中フェイ・ウォンが泊まっている部屋に何故か「ゴージャス」のポスター貼ってあったな。