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青天の霹靂のkuuのレビュー・感想・評価

青天の霹靂(2013年製作の映画)
3.3
『青天の霹靂』映倫区分 G
製作年 2014年。上映時間 96分。
お笑いタレントの劇団ひとりが、自身の書き下ろし小説を初監督で映画化。
売れないマジシャンの男が40年前にタイムスリップし、生き別れたはずの両親との出会いを通して自分の出生の秘密を知っていく姿を笑いとユーモアを交えながら描く。
主人公・晴夫役で大泉洋が主演。劇団ひとりが父・正太郎に扮し、母・悦子を柴咲コウが演じる。

39歳の売れないマジシャンの晴夫は、母に捨てられ、父とは絶縁状態。
ある日、父の訃報を聞いて絶望した晴夫は、気がつくと40年前の浅草にタイムスリップしていた。
そこで若き日の父・正太郎と母・悦子と出会い、スプーン曲げのマジックで人気マジシャンになった晴夫は、父とコンビを組むことに。やがて母の妊娠が発覚し、10カ月後に生まれてくるはずの自分を待つ晴夫は、自身の出生の秘密と向き合うこととなる。

凝り固まった小生の色眼鏡かけた予想よりずっとよかった。
タイムトラベルの要素が導入された時点でこないな系の物語アルアルを予想したが、実際はかなり地に足がついていた。
やむを得ない感傷的な部分もあるけど、3人の役者の力関係が、おざなりな場面の多くを克服するのに十分やった。
今作品は、タイムトラベルの奇抜さよりも、意味のある人間関係を築くことに重きを置いていた。
たとえこれらの関係が失敗する運命にあったとしても、未来における彼らの絶望が、現在の(過去の出来事としての)交流をより意味深いものにしている。
これが定評ある劇団ひとり監督の手腕なんかな。
感想を書くまで、『浅草キッド』(企画・製作はNetflix、メガホンをとったのは劇団ひとり)を忘れてました。
それが遺憾なく発揮されているんやろな、メガネの色が変わった(かけ直した)。
観進めて暫くしたら、映画の世界に浸ることができた。
まずまず満足のいく作品でした。
40年前の下町の映像もよく作り込まれていてとても良かったし。
テーマを絞り、よくあるタイムスリップものを繰り返さない潔さも並々ならぬものがあった。
柴咲コウと大泉洋のベッドサイドでの会話シーンや、終盤のマジックステージも感動的でした。
しかし、何でもかんでも台詞で説明しようとするのは芸人監督の性なんかな。
紙バラの説明も、大泉洋にウソをついた父ちゃんの気持ちはちとウザ丁寧すぎたかな。
最後のセリフは、映画の流れから容易に想像できるので、観てる側に言葉として云わせない監督に期待したんやけどなぁ。
その方が感動的やったんちゃうかな。
個人的には善き作品でした。
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