踊る猫

フィルスの踊る猫のレビュー・感想・評価

フィルス(2013年製作の映画)
3.6
筒井康隆氏や戸梶圭太氏の小説のようなノリ……というと変だろうか。とにかく登場人物たちの持つある種の「安さ」というか、色々な意味でバカっぽいというのか、そういうブラック・ジョークを交えた人物描写が際立っておりこちらを圧倒させる。特に誰のイチモツなのかをコピーして女性に見せて当てさせるシーンなどは圧巻で、その他にもとにかく昇進を目指して仲間を蹴落とそうと励む登場人物たちの姿があまりにも見ていて愛おしく感じられる。もちろん、主人公のジェームズ・マカヴォイの佇まいを忘れてはいけないだろう。彼の脂ぎったキャラクター、クスリを乱用しまくって幻覚に苛まれるあたりは一度観たら容易には忘れ難い。これは是非アーヴィン・ウェルシュの作品もチェックしなければ。
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