KKMX

何食わぬ顔のKKMXのレビュー・感想・評価

何食わぬ顔(2003年製作の映画)
4.0
 ハマが学生時代に撮ったガーエー。8ミリで画質が悪く、セリフも聞き取りづらい。とはいえ、なかなか面白い作品でありました。

 アーリー作品なのでいかにも粗削りですが、なんとも言えない、触れたいが触れられない、そして触れると傷つけ傷つく関係は、ハマ映画観てるなぁとしみじみ実感しました。

 本作で傷つけずに触れるシーンが一箇所ありました。いじめトークを聞いて気持ち悪くなった女の子と、彼女に寄り添う男の子。
 触れることとは、基本は触れたいという我欲から来るものではないかと推察します。しかし、人は我欲を超えて触れる時があるのではないかとも思いました。欲望以上の必要性が迫られる時、人は人に寄り添い、結果的に触れることになるのではないかと思います。

 『Passion』で、ずっと思い続けるも相手に触れられなかった男が、女に寄り添うことで触れることができたシーンがありました。しかし、触れた途端に男は喜んでしまい、これで再び触れられなくなるというオチがありました。本作と『Passion』のシーンを組み合わせると、触れる-触れない問題を解きほぐすヒントがありそうに思いました。


 劇中で監督役のハマが中学時代のいじめの話をしていて、クラスのみんながネガティヴなことを言い続けた結果、バッドな気持ちに支配されてよりバッドな態度を取るみたいな話は、なかなかコクがありました。
 エピソードに出てくる教師の態度がクソで、『Passion』の赦しを訴える先生とはぜんぜん違うな〜とか一瞬思いましたが、実はベクトル同じだな、と思い直しました。2人とも生徒たちに向き合わないで勝手に盛り上がって暴走し、生徒たちから白い目で見られる。

 触れることは難しいが、向き合わずに生きると空回り。関係性って難しいけど、それだけ取り組み甲斐のあるものではないか、と思ったりしました。やっぱりハマは魅力ある。


 演者について。監督のハマが作中でも映画監督役をやってました。顔も性格も悪くて最高でしたが、滑舌が今ひとつ。
 ヒロインが2人出演してましたが、2人ともリアル生活で出会う魅力的な女子って感じで、これまた良かった!特に撮影に振り回されてバイト行けなくなって、電話でバイト先から怒られる女の子はなんか不憫で萌えました。あと、誕生日なのに競馬場でハマのいじめ話に付き合わされて気分悪くなっちゃう女の子も可哀想で萌えましたね。
KKMX

KKMX