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インターステラーのabeeのレビュー・感想・評価

インターステラー(2014年製作の映画)
4.9
【出来るだけ離れないでいたいと願うのは
出会う前の君に僕は絶対出会えないから
今もいつか過去になって取り戻せなくなるから
それが未来の今のうちにちゃんと取り戻しておきたいから】

「D'où venons-nous?
Que sommes-nous?
Où allons-nous?-Paul Gaugin」

とんでもない作品だった。
高尚さをもちつつエンタメに特化した映画の魅力を全て持ち合わせた傑作。
脚本、映像、音響、役者全てがパーフェクトでした。

こんなにもシーン毎にジャンルが変わったように感じる映画はありませんね。
冒頭はオカルトのようなのに最後の余韻はひたすらに壮大な命を超えた魂の物語でした。

キューブリックの「2001年宇宙の旅」の影響をとても感じる作品作りなのに感覚も余韻も真逆でした。
「2001年宇宙の旅」は高尚すぎて意味不明だと思ってましたが、今作を観るとまた観かえしたくなる。

クリストファー・ノーランは優しいですねぇ。
そんな私にも分かりやすいように作品を作ってくれてるように思いました。
この作品は「2001年宇宙の旅」を彼なりに解釈した作品、とも読み取れました。

それに観客(私)をより引き込んだのは劇中に何度か登場する「我々はどこに行くのか」という言葉。
おそらくポール・ゴーギャンの「我々はどこから来たのか
我々は何者か
我々はどこに行くのか」というゴーギャンの絵画から来た言葉ですね。
これはゴーギャンの人生観と精神世界そのものを描いた作品として知られてるのですが、これが「インターステラー」の旅とかなりはまる。
これは突き詰めていくとかなり面白い評論が書けそうです。
また、マイケル・ケイン演じるブランド教授の詠ったディラン・トマスの詩といい、先人たちの影響をとても感じる作品でした。

ということで、実はこの作品続けて2回観ました。
とにかく面白かったからというのもあるのですが、例に漏れずレビューをサボってしまったため復習の意味で観たのですが、2回目がこれまた面白い。
伏線がいっぱい張ってあってねーー。オマージュとかもたくさん見つかったりしてねーー。
こういうのがやっぱり観てて面白いよねーー。
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