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グランド・ブダペスト・ホテルのRのレビュー・感想・評価

4.8
もんのすご目まぐるしい映画! 映画館で一回見て、Blu-rayでもう一回見て、でもはっきり言って何が何なんだかよく分からなかった笑 なぜなら、最初から最後まで一瞬たりとも休むことなく画が派手すぎってか個性的すぎて、そっちばかりに目がいってしまうため、途中から話がどう進んでるんだったかよく分からなくなってしまって…ピンクや赤が印象的なカラフルなスウィーツの世界って感じで、神経質なほどシンメトリックな映像が、左右に上下にビュンビュン動き、ズームイン! ズームアウト! ウヒョー。たのしー! しかも、驚くべき豪華絢爛のスター揃い、映画をよく見る人なら、えっ、この人も、あの人も、の連続となるでしょう。役柄もみんなものすごクセ強い。ウヒョー。おもしれー! けど、アレ、ちょっと待って、どういう話やっけ?笑 ってなります。で、ようやくこの度3回目で、全体像がつかめました! ボクの頭が悪くて処理しきれなかったというのもあるかもしれません。落ち着いて見ると話シンプルやん。とんでもなくゴージャスな超一流のグランドブダペストホテルは、コンシエルジュのムッシューグスタフHが仕切っていた頃に最盛期を誇ってて、ブロンドの富裕な老女たちが高頻度で通っていたのだが、そのわけはグスタフ氏が枯れ果てていた彼女たちの性欲を深い愛情を込めて潤し、満たしてあげていたからなのです。そんな上客のひとりマダムDが突然死! 大変に高価な絵画をグスタフ氏に残すという遺言が残されていた! それに憤怒したマダムDの遺族たちは、遺言を無効にしようと画策、一方、グスタフ氏はその絵をこっそり盗み出してトンズラ! そっちはうまいことバレずにいくのだが、マダムDの死の殺人容疑で拘束されてしまう…って流れの活劇コメディ。であると同時に、グスタフ氏とベルボーイのゼロとの間に生まれる心温まる友情や、ゼロとお菓子職人の少女アガサとの間の切ない恋も描いており、そんなこんながビュンビュンすごいスピードで描いてあるため、あんまり気持ち伝わってきません笑 が! 3回目見たときは、すごく伝わった! すごく? んー、何かね、じわーってくる、あー、何かほのかに胸がキュン、くらいの感じで。それが素晴らしい。てか、それ感じれなくても、とにかく独特の世界観が壮麗でお見事! だって、最初2回は何が何だかよーわからんのに、全く退屈することなくめちゃめちゃ楽しめたわけだから! こんな映画なかなかないですね。別にもうちょっとじっくり描いて120分とかでもぜんぜんありやったはずやのに、ひっちゃかめっちゃかの90分(plusエンドクレジットの10分で全100分)。けどだからこそ生まれるワクワクコミカルキュートな感じがよいのでありましょう。ヨーロッパのおとぎ話に出てくるキャラみたいな皆さんの演技が最高やし、セリフが味わい深くてホント好き。たまに巷で、英検1級なんて使わない単語だらけでいらないでしょ?って言われてるの聞きますが、こういう映画を隅々まで愉しみたければ最低限として必要なんだよ! と声を大にして、言いたいわけでもない。けど是非そのレベルにまで到達したあとにも見てみていただきたい。珠玉の台詞のオンパレードっす。惚れ惚れしますよー。
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