「マックス、お前は本物のバカだ」x3回
ゾンビ映画です。
主人公はドルフ・ラングレン、この時点で《間違いない感》があります。
ハッキリ言えば《B級》、しかしB級と分かった上で鑑賞する人がほとんどでしょう。いろいろツッコミ所も豊富。ただし、くれぐれも「ツッコんでいる」ではなく「ツッコませてもらってる」です。ゾンビ映画の度量はハンパないですよ。
(スイマセン、自分でも何言っているかよく分かりません)
ゾンビ映画では珍しい(たぶん)、ロボットとゾンビの戦闘が見れます。FilmarksでもSFアクションとジャンルが設定されていました。また、そのロボットのデザインもカッコいいんです。ガンダムを知っている人は「ズゴック」だと思ってもらえればいいと思います。白いズゴックです(しかも返り血で赤い)。
正直ゾンビの扱いが雑な気がしますが、ゾンビ映画好きの方はコレクター要素で、観て損はないと思います。
●あらすじ
大手バイオテック企業からウィルスが流出し、街は感染者(いわゆるゾンビ)により崩壊、軍により封鎖された。そんな中、かつて特殊部隊に在籍し、その腕も確かな主人公マックス・ガトリング少佐はある男から依頼を受ける。その街から娘ジュードを救出する任務だ。マックスは傭兵部隊を組織し街へ潜入する。
先に進むにつれ、1人また1人と隊員は死んでいった。結局、ヘリが迎えに来る日時になってもジュードを見つけることはできなかった。マックスは独り残り任務を続行することを選択、そして遂に街の薬局で物資を調達するジュードと遭遇する。ゾンビに襲われていたジュードはマックスに助けられ、アジトへと案内する。
アジトでは数人の生き残りが共同生活を送っていた。リーダー格のデュークはマックスの目的がジュードを連れ戻すことであることを知り、マックスを拘束、ゾンビが徘徊する街に置き去りにした。メンバーの1人リースがマックスを助け、街を徘徊するロボットを味方にする。その頃、アジトはゾンビの侵入を許していた。マックスたちは街からの脱出を試みる。
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という感じです。物語はもう少し続きますが《あらすじ》は一旦ここまで。オチもあるのですが、割愛します。
●ゾンビ
この映画のゾンビですが、どうやら「音」に反応するタイプのようです。そして走る。ま、オーソドックスなゾンビといえます。ただ、これはストーリーの問題ですが、あまり筋が通っていないというか《音に反応する》だったらもっと立ち回り方があるだろうというシーンが何度か。(前半のクラクションにゾンビが集まってくるとか、突然無線機が受信するとかはベタだけど良い展開でした。)噛まれたあともどのくらいでゾンビになるとか、も特に描写はありません。総じて《ゾンビの扱いが雑》と言わざるを得ません。
●ドルフ・ラングレン(主人公マックス・ガトリング少佐)
軍人、ソルジャー、傭兵、殺し屋、そんな役柄がピッタリのドルフ・ラングレン。ガタイも良く顔も恐い。《ゾンビ映画×ドルフ・ラングレン》とくればそのクオリティは保証されたようなものです、安心してください。しかも名前が「ガトリング少佐」です。
この映画でも元特殊部隊出身という事で、その腕前は折り紙つき。「任務がすべて」系のハードコアな軍人肌ですが結構ユーモアがある。
・「ゾンビに殺人ロボットか…、住みやすい街だ」
・(エルビス「ゴーストシティーだ」)「冗談か?」
・「マックス、お前は本物のバカだ」✕2回
・「君たちと、おなかのマックスを家に帰す」
・「なあ、コーヒーを入れてきてくれ」(ロボット「…(ナニイッテンダコイツ)」)
吹き替えでの鑑賞でしたが、伝説のコマンドーのシュワちゃんを思い出さずにはいられませんでした。
いずれにせよ魅力的な主人公と言って差し支えないでしょう。
ちなみに、ドルフ・ラングレン、このキャラクターからは意外なんですが、めっちゃインテリ。MITで学んでいたり、5ヶ国語を喋れたり、アトランタ五輪では近代五種競技でチームリーダーをしていたり、すごい人です。(すべてwiki情報です、興味がある方はぜひ)
その他いろいろと気になった所を順不同で。
●ロボット
他のゾンビ映画と比較してのユニークなポイントは、ロボットが登場するところですね。割りと唐突に(パッケージ見てませんでした、スイマセン)。マックスとリースがロボット達が出会うシーン「俺たちは仲良くなれそうだ」の心強さ感といったらハンパないです。ラングレンとロボが互いに背中を預け合う胸アツシーンあります。ちなみにこのロボットはメード・イン・ジャパンです。
ロボットとチームになって「これでもう安心か」と思いきや、そうは問屋が卸しません。エラーを起こしたロボットがバリケードを破壊してゾンビがなだれ込んできたり、普通にゾンビの集団に襲われてやられちゃったりします。(あれは、ゾンビがロボットを襲う理屈は、あくまで《音》ってことなのか?)
そして、なにより、控えめに言ってもロボットのデザインがカッコいいです。白いズゴック。ほとんどのシーンでゾンビの返り血で真っ赤ですので、ある意味シャア専用ですね。
●アジト
このアジトがハンパないです。今まで私が見たアジトの中でもダントツで大きい(正確な大きさは実は分からないが、明らかに大きそう)。そしてキレイ。床がピカピカ。外との隔たりがチープ。
宮殿を思わせる大きい風通しの良い、悲壮感がない良いアジトです。アジトってのは普通に考えれば防衛と維持の観点からもコンパクトな方が良いわけですよね。リーダーのセンスの良さと力量の高さがうかがい知れます。そして床はピカピカ。音楽をイヤホンで聞きながら赤いジャージでランニングしている女性が迎えてくれます。
そして、そんな立派なアジトなのに、ゾンビの侵入を許した原因は扉の締め忘れ。あれは鍵ではないですよ。単にドアの締め忘れ。いつの世もマネージャーの頭を悩ませるのはヒューマンエラーです。
●仲間がゾンビに&自己犠牲&その他
・仲間がゾンビに
この映画では、仲間がゾンビになりそうになるとあっさりと殺します。正直ここはドラマが観たいところなんですが、そんな余裕はないのでしょう。ちょっと残念。
・自己犠牲
大抵、身を挺して皆のために犠牲になる、いわゆる《自己犠牲》がゾンビ映画の見どころになりますが、この映画でもしっかりと描かれます。しかも今回は女性。感覚的には自己犠牲になるのは男性が多いんですがね。ただ残念なのが、自己犠牲の必然性があまり語られないこと。感情移入がしにくい。エルビスが死んで「もう生きていてもしょうがない」ってなったのかな。
・ジュードが物資調達に行ったドラッグストア
こういう自体になって多少時間が経っていそう(生き残りがかなり少ないので)。となるとドラッグストアにあんなに潤沢に物資が残っているのはおかしい。ゾンビ映画ばかり見ていると、そんなとこばかり気になってしまいます、嫌ですね、^^;。
話がそれますが、コロナ騒ぎで「買い占め」が報道されました。よくゲームなどでも、家を漁ると物資が出てきて《ゲーム的》だなんて思っていましたが、案外リアルなのかも。と誰かがツイッターで呟いていて納得。(パンデミック→買い占め→死ぬ→物資残る)