"贋作の中には、必ず本物が潜む"
ジェフリー・ラッシュ演じるヴァージルおじいちゃんの老後の介護をしたい。一緒にパイレーツオブカリビアンシリーズを観ながら、 「昔はあんなにやんちゃだったじゃない」と背中をさすってあげたい。そんな気持ちになる映画です…
一流鑑定士のヴァージル・オールドマン。趣味は価値の高い女性肖像画のコレクション。女性は絵画として眺めるもので、本物の女には疎い、というか怖いという感情もある。
そんな彼がある日、決して人前に姿を現さないクレアという女性から鑑定の依頼を受ける。
広場恐怖症?という病気で人のいる空間にいられないクレア。彼女をひと目見たいという好奇心から、だんだん恋心を抱いて病気を克服させたいと思うようになるおじいちゃん。
本当はヴァージルの対女性恐怖症を克服するためのセラピーだったんだよー♪なんて明るいラストを期待しながらも、なんとなく読めてしまう本当のラスト。
でも実際は考えていた以上に壮大。かけた時間やいろいろな辻褄合わせを考えると超壮大。こわいこわいこわいこわいでもジム・スタージェスはかっこいい間違いない。
まだクレアの姿を見る前、電話越しに彼女の声を聴きながら肖像画の女性たちの顔を眺めるヴァージルはなんだか良かった。ものすごい性癖だなあと思った。笑
老いてから初めて女性を知ったその重みたるや…最後の15分のジェフリー・ラッシュが最高です。
しかしストーリー的には非常に胸糞悪いので、作中にでてくる出来損ないのC3POみたいなロボットを蹴っ飛ばしてスッキリしたいです。
傷が癒えたあたりでもう一度…台詞の意味を拾いながら見返したい映画です。