ポンコツ時代劇④

確か高校のころだと思うんだよなぁ。これ観たくて仕方なくて。しかも下世話なレベルで。「おい、大奥十八景すごいらしいぜ」「いやでも見にいくの勇気いるなぁ」「でも観たくない？」そんな馬鹿な会話しかしない高校生男子（男子校でした）。当時はぴあでどこでやっているか調べていくんだけど結局怖気づいて観なかったよなぁ。

で大学の頃になるとすっかりそんなの平気でビデオ屋で借りて見たはず。まあ鈴木ソクブンだからロクなもんじゃないですよ。

もう冒頭から水浴びしている女子見つける殿様（徳川家綱役としてあおい輝彦。なぜか殿様なのに一人で鷹狩り）。そして「苦しゅうない苦しゅうない」犯される女子（伊織）。そこからカメラは上空にパンして山の上でことに至る殿様を空撮で映す（ドローンなんかないので多分ヘリから）。そしてタイトルドーン、音楽ドーン。もうこんなのソクブンでしか出来ないからね。

その後は殿様が見染めた女子をあーだこーだ。あおい輝彦＝馬鹿殿が沁みついてるぜ。ソクブン演出なんでくだらなさも土星レベル（輪をかけて馬鹿の意味）。なぜか部屋で女子の運動会をやり、上半身裸で綱引きをする。ここらへんはスター対抗水泳大会のノリか。あおい輝彦ひたすら嬉しそうなんだけど。

そんなエロ殿様のはずなのに臣下に「お世継ぎを」と言われると「わしは種馬じゃない」とご立腹。いやあんたこの映画では種馬行為しかしてないからね。そしてご立腹ついでに地味目な女子を風呂場で手籠めに。お前さっきの立腹はどこ行った？めでたく殿様の子供も懐妊する。

しかしそこで事件。なんとあっけなく家綱＝あおい輝彦はなんの前触れもなく死んでしまう。困ったのは新しい綱吉の家臣。家綱の子供がいては政権に支障が出る。そうだ、探し出して堕ろさせよう。

というわけで見ているこっちもポカーンだけど蘭方医勝野洋パートへ。子供を身ごもった女は絶頂に達すると麝香の匂いがするとのこと。そうだ、怪しいものは全てとりあえずやってしまえ（もうバカバカバカ）。

結果、勝野が探しベンガルが犯るというどうでもいい展開になる。ああもうダメだ。これダメだ。ベンガル、うきうきで籠の中の側室をやったりお寺で読経の間にやったり、忍び込んでやったり（やはり馬鹿映画だ）。それでも麝香の匂いはしない。そうだ、一人福井に戻ったものがいる。きっとそうだそうなんだ。

ここまで読んでいただいてありがとうございます。もうバカバカバカ映画ですよ（まあソクブンだからそんなことわかっていたけどね）。でも最後意外とイイ話でまとめるので当時のソクブンにしては珍しい（いつもトンデモ悲劇なんで）。ソクブンの虫にも五分の魂というところだろうか。ソクブン好き、昭和エロバカ好きな人は見てください。あとは絶対見ないほうがいいです。あ、僕ですか。すいません。嫌いじゃないです。

※なぜか女中を苛むときは般若の面をかぶる大奥の面々。いや般若の面かぶる必要ある？というか苛み方はどう見ても近代ＳＭなんだけど。

※勝野は流石な殺陣で見せてくれる。そこは素晴らしい。キャシー中島もそこに惚れたのだろうか。

※主役の辻沢杏子をはじめ野村真美や伊織祐未とこれでもかの脱ぎっぷり。当時は女優を脱がせれば勝ちみたいな不文律があったからなぁ。あの夏目雅子ですら脱いでいたしね。でもソクブン映画では跳ねないんだよ。だって基本ポンコツだもん。

※伝統芸である帯外してくるくるくるくるを二回も見ることが出来る。これだけで満足だ（ホントか？）

百花繚乱

時は正に昭和元禄。
突如蘇りし、東映艶劇…
　
舞台は正に元禄の世に
移り変わりし大奥。

美しく…かくも悲しき…

「大奥十八景」

バブル期に唐突に作成された東映ポルノ路線の現在での最終作。私もこれ記憶にありますからね。70年代に何作か作られ中断していたこの路線。かなりトチ狂った設定や奔放過ぎるシナリオで思わず、笑ってしまう艶笑喜劇が多かったんですが…これは以外や意外、真面目に作られてます（笑）

将軍と言う唯一無二の存在の為に作られた花園である大奥。3000人の女が一人の男に仕えると言う歪な世界に翻弄された女達の物語になってます。

その衣装、舞台の絢爛豪華さは嘗てのその路線を超えんとし、女優の質もかなり高い。バブル期ならではの豪華さと言っても良いでしょうね。

そんじょそこらのAVやポルノとは違い、兎に角、絢爛豪華に女優の裸を美しく、セクシーに撮る事に集中してる。東映ポルノ路線の先駆者である鈴木則文監督の面目躍如。

その演出は馬鹿らしくも、芸術的。オープニングは上様が鷹狩の最中に見初めた市井の美女と高原でいたし始め、突如空撮に切り替わり、どんどん引いていき、題名クレジットドーン！ってドローンなんか無い時代だからヘリ空撮（笑）他、突然世界が止まったり、どの致すシーンも何らかの演出が加えられ、エロスを増幅しながらも美しいのが特徴なんでしょうね。伝統の大馬鹿なシーンは奥女中総出の裸綱引きくらいですからね。

その女優陣もアイドルから転向、新人、日活ロマンポルノから掻き集めた美女揃い。肉感的な方からスレンダーまで全て取り揃えてます。因みにキーとなる役に野村真美さんが出演。後の橋田ファミリーの方です。辻沢杏子さんもアイドルからの転身作品です。確かミスキャンパスの方もいたりしてまぁ綺麗だわ…（笑）

因みに裸を見せる為には相手がないと行けないわけで…（笑）種馬扱いされる悲しき4代将軍家綱に助さん、あおい輝彦。前半の狂言回しが彼で後半は勝野洋演じる堕胎医幻士郎が相手を努め、ベンガルが相棒。この3人がまぁ羨ましいと言うか美味しい（笑）ちょっとした剣劇もあってエンタメに華を添えてます。

30年以上ぶりに見たんですが…全くストーリー覚えてなかった（笑）予想外に真面目なので、70年代のノリで見ると辛いかもしれませんね。ただただ…綺麗な女性の裸が見たいと言う部分ならば、それも良しな作品ではあるんですが（笑）

• #80s傑作選

これもWOWOW放映の映画。
なかなか観る機会もないだろうから観たが。。。

女性陣の裸体が美しかった✨