結局カレー

進撃の巨人 ATTACK ON TITANの結局カレーのレビュー・感想・評価

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN(2014年製作の映画)
1.2
原作は初期から読んでる作品。公開当時にみたときはあまりの改変っぷりにショックを受けて後編はみれなかった。

久々に観て思ったことは「進撃の巨人の世界観だけ使いたかった別作品」だな、と。やっぱりどこまで贔屓目にみても実写化を名乗るには酷すぎ。ストーリー・世界観ももちろん大事だけど、キャラクターをしっかり描かんとそれはもうオマージュした別作品でしかないでしょ。しかもその改変がまたファンを敵に回す気しか感じない。(以下キャラ設定批判)まずミカサのキャラ変はミカサの良さ全部なくしてるし、リヴァイは実写化不可とみたのか≠シキシマにしたにしても「こいつ何?」という疑問符しか浮かばない謎キャラ。早々に”最強の男”という設定を見失ったしりんごは笑うわ。長谷川博己も辛かったろうに。何より不快なのが女性キャラ(ハンジはさておき)皆が皆、恋人・家族・子供への思いを馳せる役割になってて強い志を感じるキャラがいなかった。ミカサや原作のアニみたいな男女関係なく強者として自立し互いに切磋琢磨しあってる所が良かったのにひどい。ちょいちょいある男女の絡みは本当にいらなかった。

散々書いたけれど、まあでも原作未読の人がそこそこ楽しめたって理由はわからなくもない。アクションものって快活な演出が多いけど、この作品らしい絶望感はきちんと描かれてたと思う。原作熱の高さのせいでつい粗探ししちゃうから一様に「最悪」ってなっちゃうけど。久々にみた絶望アクション。美術も良かった。

1度映画化が破談になってリベンジで映像化されたらしい今作。ここまでの悪変からして作り手たちの中でも相当もめたに違いない。誰が悪いとかでなく、最早この作品が出来上がるまでに何があったのかが非常に気になる。