B5版

トム・アット・ザ・ファームのB5版のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

青いインクで綴る餞の言葉が美しい。
あの農場に現れる前のトムは、恋人の死に打ちひしがれつつ、悲しみに暮れることのできる幸福さがあった。

その陶酔は恋人の母、兄により少しずつ削り取られ、そしてサラによって奪われる。
美しいのに薄幸そうで痛々しい、脆くて儚い感じの純粋な青年の演技、ドラン監督って素晴らしい。

ラスト、アメリカの隠喩はちょっとわからないんですが、
あの車はそのまま前を向いて走るのか。
それとも兄の元へ引き返すのか。
余韻を残した終わり方でした。
B5版

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