B5版

復讐者たちのB5版のレビュー・感想・評価

復讐者たち(2020年製作の映画)
3.2
貴方達はどうして何もしなかったの?
悲鳴を聞いていたのに。と被害者は問う。

貴方達はどうして抗わなかったの?
団結して勇気を奮ってれば違う結末だったかも。と第三者が問う。
そこには同じ言葉が隠れてる。
"たとえその行為で死ぬかもしれなくても"
なんて軽薄で無神経な問いかけだ。
残酷な出来事に関わる時、一番必要なものは相手に対する想像力なんだと訴える作品でした。

WW2戦後、ユダヤ人からドイツ国民への報復を画策する動きを内部の視点から描いた本作。
なんと事実が元らしく、まあ、事実であれば正史が今なのだから話の流れはこうならざるを得ないよな…と。

復讐とは自分の運命との決着をつけるためにある、という名言がある。
そこには覚悟が伴うが何もそれは悲劇的な性質の話だけではない。
綺麗事かもしれないが不幸を振り切って幸せに安寧の中で生きる世代を育むことだって相当な覚悟がいる。
あちこち血溜まりが残る土地より健やかに生きれる新たな安住の地へいくことも。

しかし彼の国、神の土地でもまた無理が生じ、争いが起き続けている。
世界はキリが無い消耗線に疲弊したまま。
先の大戦の教訓が報われる日は来るのだろうか。
B5版

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