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スター・ウォーズ/フォースの覚醒のshxtpieのレビュー・感想・評価

3.5
最高です。これまでの 6 部作のどれよりもおもしろいです(笑)。オープニングだけで涙。

まずは俳優たちの演技がとても熱っぽく、引き込まれます。演出力ゼロのジョージ・ルーカスの映画との大きなちがいはそこ。俳優たちの演技がドライヴすることで、映画に大きな力がもたらされています((それと、これはどう観てもハリソン・フォードの映画でしょう。そこも最高です)。

また、実に人間くさい葛藤を抱えたカイロ・レンの登場によって、フォースのダーク・サイドとライト・サイドのあいだの揺らぎが強調されて描かれていることは、注目に値します。単純な善悪二元論(とはいえ、その 2 つはコインの表と裏なわけですが)に徹した旧 3 部作よりも、厚みがぐっと増しています。

スター・ウォーズ・サーガに丁寧すぎるほどに敬意を払いつつ(それゆえに、『フォースの覚醒』は「スター・ウォーズ・ヒット・メドレー」なのです)、ジョージ・ルーカスのエゴイズムではない現代ハリウッドの民主主義的な映画づくりが功を奏している、と感じられます。

けれども、そんな優等生的な態度がおもしらいかどうか、あるいは、それがスター・ウォーズなのかどうか、はまた別の問題で。
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