何気ない日常を生きる喜び。
両親、妹、伯父、の仲良し家族と日々を過ごすイギリス人青年ティム。
そして迎えた彼の21歳の誕生日、父親から一家の男たちが代々過去に戻れる能力があることを知らされる。
その告白に驚きつつも事実として受け入れた彼は、興味深い能力を繰り返し使用するようになる。
弁護士を目指すティムはロンドンへ移り住み、チャーミングな女性メアリーと出会う。
ところが、良かれと思って使用した能力による不運から、二人の出会いはなかったことになってしまう。
しかし、ティムは何度も失敗しながらタイムトラベルを重ね、やっとの思いでメアリーの愛を勝ち取ることに成功する。
結婚し、子宝に恵まれ、そしてタイムトラベルも続ける彼だが、やがてあることに気付く。
そして、人生最大の選択を迫られることになる...。
ドーナル・グリーソンの純朴さ、レイチェル・マクアダムスの可憐さが物語に非常にマッチしている。
もう少し派手な展開があっても良かったかも、とは思うが、非常にハートフルで穏やかな物語だった。
ただ、ティムの視点に固定された物語は、「メアリーとの馴れ初め」「子供の選択」の件に象徴されるように、あまりにも自己中過ぎ、しっくりこない部分がある。
「メアリーの彼氏の立場」や「精子と卵子の出会う確率の勝手な変更」には、やや嫌悪感があるのだ。
でも、恋愛のこと、親子愛のことについて、個人視点でほっこり描かれた物語は、非常に暖かく心に残る。
特にラスト間際の、「古い命」と「新しい命」に対するティムの決断は、演出も相まって感動的だ。
どんな家族にも起こる出来事は、そのまま受け入れるべきであると。
ティムの自己中ながらも真っ直ぐな愛の物語は、観ていて最後まで心地よい内容だった。
ハナマル!
2018/08/13