新潟の映画野郎らりほう

20世紀少年 <第1章> 終わりの始まりの新潟の映画野郎らりほうのレビュー・感想・評価

2.0
【謎のスパイラル状態】


60~70年代の世相・社会風俗を掬い上げつつ、膨大な人物と 複数の時と場所で起こる事象をうねる様に収束させてゆくストーリーテリングは やはり浦沢原作の持つパワーを改めて思い知らされる。
作品は、次々に提示する謎で観客(読者)の興味を煽り、謎の解明でしっかりとカタルシスを与えつつも次の(それ以上の)謎が更に提示され続ける「謎のスパイラル状態」な印象だ。

クライマックス的訴求を持つ場面が 序章的位置付けに過ぎない等 煽り過ぎの感はあるが、そのストーリーを楽しんでもらうべく映画的意匠の付与を浄く切り捨てた姿勢は買う。




《劇場観賞》