マヒロ

エスケイプ・フロム・トゥモローのマヒロのレビュー・感想・評価

2.0
こんな僕ですが、幼いころから「夢の国」には何度か足を運んだことがありまして、当時から完璧に作り上げられたエンターテインメントの世界にどっぷりと浸からせていただいたもんでした。…が、やがて少し成長していわゆる“都市伝説”というものに興味を持ちだしたころから、この「夢の国」というあまりにも完璧な世界にに対して、色々とよからぬ妄想をし始めました。例えば「閉園した後も園内に残り続けるとひっ捕らえられてキャストの一員にされてしまう…」とか、「地下にはオトナ向けの娯楽施設があって、そこではコドモには見せられない○○○な接待が行われている…」とか。まぁ、何を言ってるんだこのガキは、って感じだけど、だいたい中学2年生くらいになるとこういった大きな体制を疑ってかかってしまうのが男の子ってもんなんですね。

…で、この映画は何なのかというと、そういったくだらない妄想を本当にそのままやってしまった!という映画なのです。
主人公は中年のオッサン(ちょっと惜しいトム・クルーズみたいな顔)なんだけど、すぐ妄想に浸るわ気になる女の子を追っかけまわすわで行動は中学生男子そのもの。そのオッサンが「夢の国」の中で次第に妄想に蝕まれていく…という話で、正直なところストーリーは特別新しいわけではなかったり。あの「夢の国」内で、無断の上に手持ちカメラで撮ったという割にはしっかり映像として成り立っているのはすごいけど、もうちょっと捻りが欲しかったかな。パンフレットではデイビッド・リンチと比較されてたけど、あちらと比べてしまうと頭の狂った感じも物足りなかった。

まぁ、世界一著作権にうるさいと言われるD社に対して真っ向から対峙してかかるような真似は素直に称賛したいし、本当に使われてそうな良く出来た音楽とか、アトラクションやグルメをしっかりと楽しそうに&おいしそうに映してるところとか、こいつ本当はD社大好きなんじゃないの?と思わせるような愛憎入り混じった感じは結構好きだ。D社が黙ってるのも、本当に憎しみこめて作ってるわけではない、というのを読み取っているからなのではないだろーか…。
@TOHOシネマズららぽーと横浜

(2014.134)[26]
マヒロ

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