省略の美学!!!
ホームセンターに勤務する穏やかな中年(初老?)ジョン=マッコールさん
気の優しい読書好きのオジさんですが、その正体は悪に鉄槌を下す元CIAの正義おじさん(武力S知力S)だったのだ…
!!
マッコールおじさんがひたすら”為して”いく痛快映画です
ただこのマッコールおじさん、よくいる正義の味方と一緒にするにはやや「異常性」が高いです
高過ぎます
本をテーブルの角にキッチリ角度を合わせて置くなどの神経質さというか、マイルールが強い描写が多々あり
悪に対しても「まずは改心の機会を与える」というルールに則り行動します
そしてこのルールは徹底的に守る
つまり相手がどんな巨悪であろうと、改心の機会を捨てたのなら、それはもう執拗に執拗に正義を執行するのです
とにかく”為す”
その執行時の表情たるや
「無」
まさかの「無」
何の感情も映さない瞳のまま、バスバスと悪人を成敗します
無慈悲!!!
無慈悲に為す!!!
で、この映画がその辺のアクション映画と一線を画すのはこのマッコールおじさんの「無慈悲な正義」ぷりに加えて、省略の上手さ
強盗発生だ〜
↓
売り物のハンマーをそっと手に取るマッコールおじさん
↓
翌日盗まれた物が戻ってきている
↓
何かを丁寧に拭き取ったハンマーをそっと棚に戻すマッコールおじさん
という「具体的には描かれてないけど、絶対こいつ”為した”な……」的省略が随所にあり、爆笑してしまいます
雰囲気たっぷりに出て来る強キャラも、他の映画なら「どんな戦いをするんだろう……!?」とワクワクしますが、イコライザーにおいては次のシーンでは既に”為されて”おり、血に染まったそいつの装飾品などがポンと置かれているだけで二度と出てきません
爆笑せざるを得ない
笑ってしまうけど、これって具体的な戦闘シーンを省くことでキャラクターの異常なほどの強さを表現する上手い手法でもあると思いました
ただもう終盤は強過ぎ+省略し過ぎでほとんどギャグでした
ホームセンターに売ってる「使い方次第じゃ凶器じゃねーか」というグッヅ類をそのまんま凶器として使うマッコールおじさんに胸が熱くなるぜ!!!
「ナメくさってたオッサンが絶対に手を出しちゃいけない系の人だった」映画として、悪役に同情しそうになるという意味では「96時間」の正当な系譜にあたる映画ではないでしょうか
続編にも期待です