マツシマ

ジョン・ウィック:コンセクエンスのマツシマのレビュー・感想・評価

3.8
伝説的殺し屋ジョン・ウィックの死闘を描くシリーズ第4作(にして最終作?なのかな)


4作通してジョン・ウィックが戦い過ぎてもう私は「そう言えばこの人はなんで戦ってるんだろう?」状態だったのですが、要所要所で「次の目的はこれ!」を提示してくれるので助かります(助かります)

第一作の「愛犬の復讐のためにカムバックした元伝説的殺し屋」という単純なストーリーラインだった頃から比べると想像ができないくらい事態は複雑化、ワールドワイドになってしまいましたが、今作は「あ、1作目の設定忘れてないんだな」と気付かせてくれるポイントがあって嬉しかったり

以下感想箇条書き


●世界最高峰の肉弾アクションシーンの数々!
マジで演者が体を張っている「現実」の部分と、映像演出で盛っている「嘘」の部分のバランスと言うか配合が素晴らしい
全体的に泥臭く、必死に戦ってる感じは個人的にかなり好きです
ジョンが「寝技に持ち込んでからトドメを刺す」という”勝ちパターン”を持っているのもマジっぽくて好き
現実でも強い奴は自分の勝ちパターンに相手をハメるのが上手いので
「防弾スーツ」を前提とした戦い方がある等、ジョン・ウィックの世界ならではの戦闘法が確立されているのウケます


●ゲームのようにステージが変遷する
今作のボリュームは過去最大では?と思うくらいで体感普通のアクション映画3本分くらいの見応えがあったのですが、ゲームのようにステージが変わり、それぞれにボスキャラがいるので、シーン毎の見応えがエゲツナイことになっているからなんですよね
OSAKAステージ、ポーカーステージ(ボス戦の前にミニゲームがあるよ!)、凱旋門ステージ(車を避けながら敵を倒せ!)、アパルトマンステージ(視点が真上からになる特集ステージだ!)、大階段ステージ(落ちると最初からやり直しだよ!)等々……
見応えありすぎな上に、各ボスキャラ濃すぎ強すぎ


●ドニー・イェン!
真田広之さんにももちろんブチアガるんですが、やっぱり…やっぱりドニー・イェン!!
真田広之さん演じるキャラクターは何回もみたことある、っていうか、ハリウッド版真田広之いっつもコイツじゃない?という既視感
髪の毛ひっつめてて日本刀を使う
それが世界のSANADA
一方のドニー演じるケイン
コイツも「盲目かつ棒を使う」て時点でまあまあスターウォーズローグ・ワンなんですが、なんせ今作のドニーはバンバンに銃(チャカ)を使うぞ!
銃(チャカ)ぶっ放しまくるドニー、見たくない?
私は見たい
「今回は銃(チャカ)いくか~~~」と思ってたら一瞬チェーンパンチ出して「詠春拳も出せるんかい!」と大興奮
ケイン、何なの?


●ケレン味ある設定のディティールこそジョン・ウィック
アクション描写がジョン・ウィックシリーズの表の主役なら、世界観のディティールこそ裏の主役
1作目から最高だった「殺し屋だけが使える金貨」的なディティールが各所に散りばめられていて最高
「殺し屋用ラジオ放送」「組織の命令を伝達、遂行する告知人」「告知人が持ってくる絶対にデカすぎる砂時計」「決闘の条件を決定する金属製のカード」等々…
心くすぐるアイテム、設定がてんこ盛りで、こういうのだけ一生見ていたくなります


●スーツが美しい
戦闘アイテムでもあるスーツ
さすがに出てくるスーツが全部本当に美しい…
みんなスタイル馬鹿ほど良いし
ビル・スカルガルド演じる敵キャラなんて登場する度に毎回違う異常にかっこいいスーツ着て出てきますからね
オシャレに命かけてるなコイツ


●雰囲気とアクションしかない
このシリーズすげえ長いけど(嬉しくはある)
回を増すごとにとにかく内容は薄く、反比例してセリフは暗示的、思わせぶりに、アクションは長く濃く、という進化を続け
どこに向かうんだろう?と思っていたのですが
今作によってそういう「そんでお前はどこに向かってんだよ」というこちらの疑問にキチンと応える方向にいったのは英断だったように思います
ギリギリだった
正直ギリギリ
これ以上セリフの雰囲気とアクションだけでいかれたら次作あたりで疲れが勝ったかも知れない(観るけど)
ギリギリでこの形にした制作陣、ありがとうございますでした


いっつもヘロヘロヘトヘト満身創痍なのに全然死なないし結局買っちゃうジョナサンが私は大好きでした!
ということが言いたかっただけなのに、本編ばりに長い感想になってしまいました


同じ世界観で別主人公の映画作ってくれても良いんですよ
待ってまーーーーーーす




犬、お前が一番カッコいいぜ