数十年前に廃墟となった哭倉村
そこには若かりし頃の目玉親父とその”友”、そして鬼太郎誕生に纏わる物語が眠っていた
ここに来て鬼太郎シリーズに最高のバディ要素加わる……！！
戦後から高度経済成長期の間のほんの少しの間、旧と新、歴史と現在が交わるあの隙間
あの時期を舞台にしたフィクションからしか得られない栄養
あると思います！
ということで、鬼太郎的妖怪世界を下敷きにしつつ
昭和！因習！閉鎖的村！忌まわしき一族！ドロドロ！グチャグチャ！人間の業！
など一部の人に刺さる要素をごった煮にした作品だと感じました
先にも述べた「あの頃」の風情がまた良いんですよね
帝国血液銀行（！！）所属で、上司の命令から哭倉村に向かうことになる水木
彼の着こなす背広の、シルエットの大きさから漂う当時の感じ
とにかく吸うタバコ
匂い立つ戦後間もなくの風情
ある意味で鬼太郎要素はオマケでしかなくて、これは
「戦争のトラウマを抱えて一度は人間をやめた男が、人外なのに遥かに自分より人間らしい存在と出会い、因習（戦中全体主義のメタファー）を断ち切るべく共に手を取り戦う」
というドラマなんですね
そら好きやがな
好き好き
因習もほんまに嫌〜〜〜な感じで
鬼太郎の名を冠してこれをやるかね……という
全年齢じゃない所以ですね
そして二人の結末もこれまた私好みの切なさがあるのですが、この辺りの報われたような報われないような微妙な感じが
「とにかく二人を幸せにしたい！」
というオタク心をくすぐるのかなあ、と現在の今作の人気を見るにつけ思ったり
スタッフロールも是非ご覧下さい
（目玉のおやじが色々な酷い目に遭うものの、現在の目玉のおやじのキャラを知っているので、最終的にお茶碗風呂に浸かってのんびりの余生送るんだなぁと思うと多少は安心して観れます）
アクションシーンもギュンギュン動くので、アニメーションとしての面白さもたっぷりあります
金田一耕助シリーズ
京極堂シリーズ
なんかが好きな人は、ちょっと趣が違うものの、観ても良いのかな〜と思いました
しかし目玉の親父史上、最も性的なんじゃないだろーか
