せーじ

ルパン三世のせーじのレビュー・感想・評価

ルパン三世(2014年製作の映画)
1.6
177本目。
地獄めぐりツアーもとい、マンガアニメ実写化作品ツアーの二回目は、この作品を。

いやぁ…、色々酷かったです(疲)
クライマックスの全員で突入するくだりの部分だけは、唯一ちょっとだけ「おおっ!なかなかいいじゃん!」と思えたんですけど、そこに至るまでのストーリーや演出が酷すぎてげんなりとしてしまいました。

以前自分は、アニメのルパン三世の魅力のひとつとして「ある意味でのスラップスティックコメディー(ドタバタ劇)的な、アクロバティックで愉快なアクション描写だったりする」と書いたのですが、そういう軽快さが全く無いんですよね。かと言って、原作の様なハードボイルド的な描写がカッコよくキマっている訳でもないですし、非常に中途半端なケイパー物になってしまっています。もちろん、アニメのノリをそのまま持ち込んでしまうというのはダサいしサムいというのもあるので、演出面でのチューニングが不可欠なのは言うまでもないことだと思うのですけれど、それも全くうまくいっていないように思いました。
そもそもの話、尺が130分以上もあって話運びが鈍重すぎるんですよね。
冒頭のキャラクター紹介を兼ねたシーケンスも、暗い中で似たような黒い服を着た人たちがわちゃわちゃしているだけなので、誰が誰なのかわかりにくいですし、その後も無駄に時系列を引き延ばしたりして、サクサク物語が進みません。あまつさえクライマックスの突入前にみんなでバーベキューをしだしたのを見た時には流石に目を疑いました。

他にも、中盤のカーチェイスのいかにもなグダグダな感じだとか、追いかける役目であるはずの銭形警部が、ルパンに取引を持ち掛ける唐突なありえなさだとか、黒木メイサさんが全く峰不二子みたいにセクシーに見えないところだとか、ルパン一味以外にもサブメンバーみたいなやつらが仲間に加わるというコレジャナイ感じだとか、綾野剛さんが演じる石川五ェ衛門の初登場シーンに殺気が全く感じられなかったところだとか、最後に爆死したとあるキャラクターの亡骸が意外と綺麗なところだとか、案の定ツッコミどころを数え上げたらキリがないです。
でもいちばんキツかったのは、小栗旬さんの演技全般―特にアニメ版ルパンに寄せた喋り方でしょうか。流石に劇中ずっとそのノリではなかったですけど、この演技を良しとした作り手の考え方というかセンスは、ちょっと想像を絶する受け入れ難さでした。

正直なところこの内容だったら90分くらいに圧縮した方が、テンポもアップしてまだ鑑賞に堪えうる作品になったんじゃないかなと思います。
でも、だったらアニメを観たほうがいいよねってなってしまいますよね。

ということで、全くおすすめできないという評価になってしまいました。
残念です…
せーじ

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