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ラブホテルのHKのレビュー・感想・評価

ラブホテル(1985年製作の映画)
3.3
寺田農(みのり)氏を偲んでパート2。
本作は岡本喜八監督の名作『肉弾』の初主演から17年ぶり、寺田農42歳のときの2度目の主演作。
当時売れっ子だった相米慎二が『魚影の群れ』と『台風クラブ』の間に撮ったのが日活ロマンポルノというのも意外。
製作は伝説のディレクターズ・カンパニー。

脚本は劇画家でまだ映画監督になる前の石井隆。
あの『天使のはらわた』で知られる“名美”と“村木”のシリーズの1本でもあります。
初めて観たのは公開時、その後深夜TVでも一度観たような気が。
意外といろんなシーンやBGMを憶えていました。
昭和だな~。

いつもは脇の寺田農が堂々主役で、今回はチラっと出る脇役の方が佐藤浩市、萬田久子、尾美としのり、伊武雅刀などと豪華。
相米慎二は相変わらず得意技の引きの長回しばかり。
BGMに使われている山口百恵やもんた&ブラザーズの曲が印象的。
1986年のヨコハマ映画祭で寺田農(村木)は主演男優賞、速水典子(名美)は最優秀新人賞を受賞しています。

数えきれない程の作品に出ながら、主役を演じたのは生涯で3作品の寺田農ですが、やっぱりダントツの名作は『肉弾』。
私の邦画のオールタイム・ベストです。

ちなみに今回の訃報でやたらと『天空の城ラピュタ』のムスカ大佐の声優と紹介されていますが、たった二日間の仕事だったらしく、本人はほとんど憶えていなかったんだとか。
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