三郎丸

チョコレートドーナツの三郎丸のレビュー・感想・評価

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)
4.5
【外側はイビツ、でも、その内側には深い愛が満ち溢れていた】

お話は、
1970年代のアメリカの実話を基に、母親に見捨てられたダウン症の少年と一緒に暮らすため、周囲の偏見と闘うゲイカップルの姿を描いた人間ドラマ

マイノリティの問題については、どうしても偏見が伴う。しかし、愛する対象が違うだけで大きな問題とは思いません。
現在のようにニュース等々で取り上げられる【以前】の本作品。
・歪みのある見方や意見
・貶め、恥ずかしめようとする
・【理解をしようとする気持ちが存在しない】
こういう相手を主人公二人は真っ向から立ち向かう。
いわば【心で闘う戦士】
の話でした。

アラン・カミング
素晴らしい演技と歌!!
喜怒哀楽表現がとても上手く、彼のせいで作品に引き込まれていった…
この作品は彼の熱演ナシには語れない。

ギャレット・ディラハン
若干不器用そうにはみえるのですが…本作において彼の裁判でのセリフに涙腺崩壊した人は続出したことでしょう。
裁判においても自分たちに対し偏見のある意見にさらされても
【これは誰も欲しがらないマルコ(ダウン症の少年)の審理だ】
と諭す。
自分の仕事が危うくなろうが体調を崩そうがダウン症のマルコと【普通の生活をするため】闘い続ける。
観終えるころにはとてもカッコ良く見えます。

【子供に愛情を持ち、責任をもって育てることに、性別はまったく関係ない】
という、本質。
人間の本能として、確かに、同性愛はマイノリティ(少数派)だろうが、少数派が偏見や差別の目に晒されて良い訳ではなく、 個人の持っている愛情、優しさ、能力の高さなど、 マイノリティだからといって否定されるものであってはならない。

眼には見えないものこそ尊いことを教えて貰える傑作です。
…スコア若干マイナスなのは、ハッピーエンドが好きなマルコにハッピーエンドを体験して欲しかった残念感です。
三郎丸

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