愛とは、そして世間の偏見、鑑賞後は涙が止まらなくなりました。リアルで胸が締め付けられた。
舞台は1979年のカリフォルニア、歌手を夢みながらショーパブでパフォーマーとして働くゲイのルディ(アラン・カミング)はある夜、客として訪れた、検事局で働くゲイであることを隠しているポール(ギャレット・ディラハント)と恋に落ち交際を始める。そんなある日、ルディの住むボロアパートの隣人の女性が麻薬所持容疑で逮捕される。逮捕された母親にはダウン症の息子マルコ(アイザック・レイバ)がいた。母親に会いたい一心で施設から脱走したマルコを見つけたルディとポール、3人は一緒に暮らすことになり、愛が溢れる毎日だったが・・・
70年にゲイの男性が知的障害があり、育児放棄された子を育てた。という実話から着想を得たこの作品。70年代は今よりもっと性的マイノリティへの差別や偏見が多かったと思う。差別や偏見の中で必死に愛をマルコに与え、与えられ、幸せな家族を築いたルディとポールは理想の親だし、マルコを一番に考えていたのは間違えなく彼らだった。
ダウン症であるマルコの笑顔がとても良い、嬉しい楽しい時に咲く彼の笑顔で見ていると、こちらも幸せになれる。明るくて何をも恐れないルディと現実を見ていて賢く優しいポールの本当に愛し合っている関係も凄く良い、世間の上辺しか見ない目から見た彼らは異常だったかもしれないが、偏見など全てをとっぱらって見た彼らはどこにでもいる家族だった。
この作品はリアルで現実を叩きつける感じなので胸にずっしりときます。でも、愛がたくさん溢れる素晴らしい映画でした。
愛に性別も時間も何にも関係なくて、一番大切なのは大きさだと思いました。
