NAO141

プリズナーズのNAO141のネタバレレビュー・内容・結末

プリズナーズ(2013年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

150分以上の長編作品であるが、テンポも良く飽きが来ず、最後まで楽しめた。
楽しめたのだが、これはなかなかに重たい作品である。
ラストの終わり方は秀逸!!
しかし、作中の拷問のシーンは無理!!
(あのシーンは直視出来なかった…)

娘を誘拐された父親の気持ちはよくわかる。だからこそのあの行動もわかる。
わかるのだが、それ以上にこの作品から感じるのは誰しもが心の奥底に抱えているかもしれない凶暴性や闇、豹変してしまうかもしれない人間の怖さである。

『プリズナーズ』というタイトル通り、本作には様々な〈囚われ人〉が登場。
物理的に誘拐監禁された少女たちはもちろんのこと、主人公ケラーや真犯人ホリーも信仰・復讐心・過去など様々なものに囚われている。囚われる何かがあることによって人はここまで変わってしまうということを描いている作品でもある。

本作、娘が見つかったから良かったね…で単純に終われる作品ではなく、主人公ケラーがアレックスに行った拷問や容疑者ボブを死なせてしまった刑事ロキなど、誘拐や事件そのものが解決した後も残る罪悪感のようなもの、そこに彼らがどう向き合っていくのか、そこまでを描いている作品ではないからこそ、この作品の〈その後〉を我々に考えさせるような形にもなっていて、そこが良い!
(ハッピーエンドのようにみえて、実はそんな単純な作品ではないのだ。)

※ボブが描いていた地図(迷路)があの教会にあった死体のペンダントと同じだとはすぐ気づいた。なので単純に神父が怪しいと思ったが…真犯人は全く違った笑
※本作、真犯人ホリーが〈神への反逆〉というようなことを言っていることからも、作品全体で信仰心や神と悪魔の対立のようなものを描くが、そういったことを意識しなくても作品そのものは充分に楽しめる!宗教の知識があればこの深い作品をさらに楽しめると思うが、私には残念ながらそこに関する知識がない苦笑
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