ハル

プールサイド・デイズのハルのレビュー・感想・評価

プールサイド・デイズ(2013年製作の映画)
4.0

ダンカンは14歳の内向的な少年。両親の離婚後、母親に引き取られ、父親に会えない寂しさを募らせている。母親の新恋人・トレントは、新しい父親になろうと努力しているからでもあるのだろう、根暗なダンカンに対して常に厳しい態度で接する。「君という人間を10点満点で評価するとしたら、3点だ」などと偉そうに値踏みするトレントを、ダンカンは心の底から軽蔑している。 

自身も離婚歴のあるトレントは互いの家族を連れて一夏を過ごそうと提案し、ダンカンは嫌々ながらトレントの別荘に同行することになる。案の定、トレント一家と上手く馴染めないダンカンは、たまさか立ち寄った街のゲームセンターで、オーウェンなる風変わりな男と出会う。オーウェンのテキトーな言動に翻弄されながらも、ダンカンは彼の自由な生き方にいつしか憧れを抱くようになる。オーウェンが近くのウォーターパークで働いていると知ったダンカンは、自身もそこでアルバイトをしようと決意する。一夏の刺激的な体験は、内に篭りがちだった少年を確実に変えていくのだった。 

内気な少年が風変わりな人々との出会いや甘酸っぱい恋を通して変わっていくという、よくあるお話でありながら、少年の閉塞感がラストに向かって解放される瞬間は観ていて実に爽快である。制作陣はリトル・ミス・サンシャインに携わった人々であるので、同作のファンを唸らせる演出が随所に見られ、微笑ましい気分になる。清々しい気分に浸りたい人にオススメ。 
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