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インサイド・ヘッドのwigglingのレビュー・感想・評価

インサイド・ヘッド(2015年製作の映画)
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脳内会議の表現って映画では珍しくないけど、本作は擬人化された感情が主人公になり脳内を冒険する変わり種アニメ。なるほど良く出来てます。

急にふさぎ込んだり反抗的な物言いをしたり、不可解な行動をする子供の脳内では何が起きているんだ?の解明に挑んでいます。脳科学者も制作に関わっているそうで、それなりに信憑性があるんでしょうね。
「悲しみ」の感情を抑圧していたライリーが突然精神のバランスを崩して別人のようになってしまうくだりや、子供時代の「想像上の友達」がいかに大切なものなのかが上手く表現できてると思いましたね。
成長する事で、司令部のコントローラーがより複雑な操作(思春期ボタンとか)ができるものにアップグレードされるのも面白い。

ただねー、脳内世界の造形がイマイチなんですよね。適度にポップで未来感はあるんだけど、それ故にすべてがありきたり。できの悪いピタゴラスイッチみたいな感じで。
ピーター・ジャクソンやギレルモ・デル・トロやテリー・ギリアムのような独特でイルなセンスを見せて欲しかった。H・R・ギーガーほど狂ってなくてもいいからさ。
感情キャラの魅力が乏しいのも痛いよね。

それと、悲しいかな配給会社への苦言も呈しておかないと。「本編前に余計なもの入れるんじゃねえ」と。
大して面白くもない短編作品は大目にみるとして、ドリカムのMVは本当に酷い。結婚式で流れるような家族写真ビデオ、しかもン万円で素人に作らせたようなゴミのごとき代物。富士フイルムのタイアップCMも長すぎだよ。こっちは金払ってんだぜ?何故こんなもの見せられなきゃいけないんだ。
こういうモラルのない事をする配給会社への怒りのせいで、作品を素直に楽しむことができませんでしたね。猛省を求めます。
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