どうして私の目は２つしかないんだろう。神様、この映画を観ている間だけ目を３つ追加してください。おでこと両肩でお願いします。視覚と聴覚以外に映像を吸収できる器官がない事が呪わしい。あの爆風を浴びて口の中でジャリジャリと砂を噛みたい。血と油と母乳の混ざった匂いを嗅ぎたい。日に焼けてヒリヒリと疼く傷の痛みを感じたい。最終的にはテレビにチューブを繋いで輸血したい！でもしょうがないから両目をメガネザルみたいにせり出して、両耳をフェネックみたいに拡張し、たった１つしかない脳に必死で情報を送り続ける。た、足りない。ぜんっっっぜん足りない。3回観てもまだ10%も体内に吸収出来てない気がする。
フュリオサ！なんて気高くて強くて美しくて氷細工のように繊細な名前なんだろう。もし幼少期に見ていたら、彼女に憧れて丸刈りにし親を泣かせていたかもしれない。いやそうするべきだ。女性はみんな胸の真ん中にフュリオサを宿すべきである。あの汗まみれで傷だらけの勇姿が、この先何度でも身体中に血を通わせるポンプとなって力を与えてくれることだろう。その輝きは永遠に褪せない。大変遅ればせながら彼女を全身全霊で讃えたい。よし！私も連休明けから目の上を真っ黒にして出勤するぞ！おーーー！！
枯渇、暴力、服従、殺戮、腐敗しきった世界で最後に残るものは一欠片の希望。観るものの思考を完全に支配する凄まじい中毒性。ギラギラしてるのに途轍もない清涼感。こんなアツイ映画に出逢った今日という日はラブリーデイ。
