マヒロ

思い出のマーニーのマヒロのレビュー・感想・評価

思い出のマーニー(2014年製作の映画)
3.0
周りに馴染めないと感じている少女・杏奈は、持病の喘息の療養のため向かった養母の親戚の住む海辺の町で、湿地の洋館に住むマーニーという謎の少女と出会う…というお話。

思春期特有のこじらせに加え、複雑な家庭環境もありすっかり塞ぎ込んでいる主人公の杏奈は、監督の前作『借りぐらしのアリエッティ』に出てきた少年を思い出して若干嫌な予感がしたんだけど、個人的に映画の評価を落とすレベルの奇妙な言動が目立った彼に比べて、割とリアルな思春期像に落とし込まれていた感じがあって安心した。

マーニーの正体に関しては、最初はタイラー・ダーデン的な杏奈の理想の姿なのでは?とか思っていたけど、そこら辺は割と終盤まで謎だった。ネタを明かせば一番納得というかまともな落とし所だなという感じ。自分の中で勝手に幽霊なのかとか、杏奈の自己愛の具現化なのかとか、挙句やたらとお互い好き好き言い合うもんだから抑圧された同性愛願望から生まれたものなのか…?とか色々と考えを巡らせていたので、綺麗なオチにそれはそれで物足りなさも感じたり。

気になるのが、療養先の親戚の夫婦が余りにも良い人すぎるところで、杏奈が頻繁に遅くまでふらついては、道端でぶっ倒れてて介抱されながら帰ってきたりと危険な行動をするのに、叱りも訝しみもせず、あまつさえ心配する様子もそんなに見せないので、大らかを通り越して無関心に見えてくる。
序盤、町にやってきた杏奈に気にかけて話しかけた挙句にブタ呼ばわりされた太っちょの女の子も、最後の最後まで結局ロクに出番がなかったし、主役の二人以外のキャラクターに関しては別に深く描こうという気がないんだろうなとは思うんだけど、そういう周囲の人間の微妙な描きこみの薄さが、なんとなく映画の世界の印象の薄さにも繋がってしまっているような気がした。

(2019.5)