Jaya

卍 まんじのJayaのネタバレレビュー・内容・結末

卍 まんじ(1964年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

男も女も手玉に取る光子のお話かと思いきや、というお話。作家たる谷崎への園子の独白?一言も喋らない作家の間抜けな気持ち悪さで笑えました。

光子と園子の配役が素晴らしく、それに応えるずば抜けた演技。のらりくらりとして本心がどこにあるや分からない光子と、光子に狂う園子。孝太郎と綿貫も役にハマった演技が素晴らしかったです。

冒頭はエロ漫画的展開で、さすが谷崎という感じ。リアリティあるのかないのかよく分からないですが、違和感を抱かせない園子の演技にやられました。

光子と綿貫を中心にした押し引きが続きますが、腹の中が読めず、破綻している訳でもなく、全く飽きさせない作り。最後に光子が死んじゃったので、誰がどうしたかったのか、全ては闇の中。

画面の美しさというよりも迫力で魅せるような構成で、ジットリとして、かつコミカルな愛憎が見事に描かれている名作でした。
Jaya

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