ーcoyolyー

ゴーン・ガールのーcoyolyーのレビュー・感想・評価

ゴーン・ガール(2014年製作の映画)
4.3
「プライドと偏見」長女ジェーン・ベネット役のロザムンド・パイクが「十代の君の理解者はエリザベス・ベネットだけ」とベン・アフレックにセリフで言われてるのクスッとしました。ジェーンの理解者確かにリジーだけだよねって。

そして私にはエイミーが他人とは思えなくて、27歳の時の私、その時身の上に起こったことをまた追体験してるように思えた。

エイミーは単なるサバイバーで、サイコパスやパーソナリティ障害ではなくそういう人間を惹きつけやすすぎるが故に殺るか殺られるかという舞台に引き上げられがちでそうせざるを得なかった人なだけです。生き延びるために頭を使うしかないだけの人。動機もシンプルにはっきりしてるし快楽のためとは対極にいる。

サイコパスやパーソナリティ障害の人間に狙われて戦うってそのレベルをよく知ってそいつらへの対策を練らなければならないのでああなってしまうんですよ。


親を始めエイミーの周囲に誰もまともな人間がいないのでまともな恋愛もできない。親と似たような自分を殺してくる人間しか目に入らない。そんな人生が嫌になって、殺してくる人間から自由になるには相手を殺すしかない。そういう世界に私も生きてきたので非常に共感します。

プランAで失敗した時のプランB、悪手しか残ってなかったんだけど、よくあそこから立て直したなと思う。考える時間だけはあった。そしてそれを成し遂げる度胸を振り絞った。たまたま賭けに勝った。とても懐かしい感覚がよぎる。

私は彼女にここまで感嘆するのなら、自分のことをもっと褒めたっていいとわかった。よく生き延びたな、マジで。頑張った。もう大丈夫だ。エイミーは私だ。生きられる。勇気が出る。
ーcoyolyー

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