男同士の飲み会で、トラウマになった映画でもれなくあがってくる作品。笑
久々に見たくなったので再見しました。
夫婦というテーマをここまで掘り下げたのは見事。
序盤は観客は見事にエイミーが仕掛けた情報に翻弄されていく。
決める前に相談して欲しかっただけ
結婚は妥協と我慢の連続
子供は手段ではなく生きる意味
子供に結婚を救ってもらう
私は旦那を恐れてる
私は旦那に殺される
よくある夫婦が崩壊に向かっていく逆ラブストーリーの中に、犯人探しというサスペンス要素を織り交ぜながら、視聴者がもれなく主人公を嫌いになったところから、物語は急に舵を180度切る。長い序章からの本番だ。
自分は旦那を犯人に仕立て上げたエイミーに対して、レビューでよく見る恐ろしい女性というのと同時に、悲しい性を持つ女性という印象を持っている。
エイミーは旦那を犯人に仕立てる最後の仕上げを自らの死としている。裏を返せば自分の命よりも周りの評価を基軸に行動する価値観が染みついており、共感されることにより自分が昇華されるといった、現代社会にも通づる病を持っている。
増してやエイミーは幼い頃にベストセラーした本のモデルとして偽りの自分を描かれた経験がある。誰かに認められるエイミーにこそ価値があると信じている。だから自分に理想の妻という役割を与えてくれたニックの想いには喜んで応えられたし、ニックが理想の夫になるように尽力した。
でもニックはそんなエイミーといることに息が詰まり、若い女に乗り換え、仕事も辞め、遂には理想の夫である事をやめた。これこそが彼女の逆鱗に触れたのだと思う。
そしてまた秀逸なのが、エイミーが再び旦那のもとに戻ろうとする心情描写だ。たとえ嘘だとしても、テレビで妻に愛を語る理想の夫を目視した時、また自分は理想の妻としての役割を演じる機会が与えられると躍動するのだ。この脚本は本当にすごい。とても腑に落ちるし、なんなら感動さえ覚える。ただただ、戻り方がとてつもなく恐ろしいだけで。。笑
一重にはいえないが、本当の自分でいられる場所が家庭だなんて思っていたら、こちらはそうじゃないんだよとハンマーで殴られるような、恐ろしい映画だ。
これからも時々、戒めのために見ようと思う。笑
