撲殺

ウォーリアーの撲殺のネタバレレビュー・内容・結末

ウォーリアー(2011年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

MMA(総合格闘技)映画の中では1番かなと思う。
私は昔から格闘技大好きで実際にMMAのジムに通っているのだが、冒頭でトム・ハーディ演じるトミーがマッドドッグとスパーリングする時の冷やかしが混じった独特の雰囲気は本当にリアル。トレーニング中の声掛けなどにもかなり「あるある」と頷けたため相当勉強したんだろうなと思った。もっともトレーナー役のフランク・グリロはNetflixで格闘技のドキュメンタリー番組のホストを務めるほどの格闘技好きなので彼からしたら自然に出たセリフなのかもしれないが。

演者で良かったのはトム・ハーディとニック・ノルティだろう。トムはベインといいマックスといい口数の少ない無骨なムキムキの役が良く似合う。本作では格闘家でも中々いないぐらいのムキムキ具合に仕上げており、彼の凄さを改めて感じた。
ニック・ノルティ演じる元アル中のスパルタレスリング親父も素晴らしかった。基本的にどこかおどおどしているがトミーからコーチを頼まれるシーンでは昔の(おそらく)おっかなさが垣間見えて良かった。

細かいところを指摘するとしたら、普通に考えてトミーはスパルタに出場できないと思ってしまった。ブレンダンは校長との会話で昔UFC(世界で1番大きな総合格闘技団体。野球で例えるとMLB)で戦っていたことが分かるため、観客や主催者からしたら納得はできないがリザーバーとしては本当に最低限もしくはそれ以下のラインだろう。しかしトミーの実績はジムでマッドドッグを倒したという動画のみ。普通なら世界のトップ選手の中で16人しか出場できないトーナメントにストレートで出場するのは難しいだろう。陳腐かもしれないがリアリティを追求するなら特訓シーンにトミーが予選に参加する場面を入れてもよかったのでは?と思う。まぁあまり細かいことを指摘するような映画ではないと思うが…

格闘シーンも本当に辛そうで良い。MMA独特の盛り上がりを忠実に表現している良い映画だと感じた。
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