宇宙人の侵略SF? 程度の情報でテキトーにCS録画して観たら、意外や監督・脚本は『ガタカ』のアンドリュー・ニコルで主演はシアーシャ・ロ-ナンでした。
この監督の作品は『ガタカ』『シモーヌ』くらいしか見てませんが、『トゥルーマン・ショー』の脚本も書いてたんですね。
なるほど、奇抜なアイデア勝負(?)のちょっとレトロでちょっとチープな近未来SFが好きというイメージでしょうか。ウェットな感覚も共通しているように思います。
侵略者による体乗っ取り系の作品は数知れずありますが、ボディ・スナッチャーや物体Xをはじめ全くの別人格になるパターンもあれば、人間の意識が勝つデビルマン(不動明)のような例、ベノムのような共存タイプもいます。
本作の原作は『トワイライト』シリーズの女流作家が書いたSF恋愛小説だそうで、ひとつの体に2人の女性(?)が宿るという発想や、平和な生活のイメージが男女の愛に基づいている点などは女性の作家ならではの表現だと感じます。
CGやアクションは控えめで、共存するキャラ2人それぞれの恋愛感情に重きが置かれていますが、このシチュエーションにしては緊張感に欠ける印象。
異形で狂暴なはずの人間に対して異星人が好感を持ちすぎだし、侵略後の世界がゆるーい感じだし、これら人間にとって都合が良すぎる設定は評価が分かれそうです。
人種差別や世界平和へのメッセージとはとれますが、ラストも詰めが甘いように感じてしまいました。
ウイリアム・ハートがベテランの安定感で作品を支えてくれています。