新潟の映画野郎らりほう

フライト・ゲームの新潟の映画野郎らりほうのレビュー・感想・評価

フライト・ゲーム(2014年製作の映画)
4.0
【フラつく世論】


本当にこれで良かったのだろうか…。


携帯メールの文字情報や、監視モニター映像、TVニュース番組等、所謂ピクチャーインピクチャーの類は それらを見る(或いは見られる)人物リアクションの有無も同時に提示されており、安易に思わせぬばかりか その過不及無き情報密度にも感心させられる。

旅客航空機利用者に未だ憑き纏う911のスティグマと、反対に形骸化する安全保障 - 忘れたいが忘れられぬ者と 風化忘失されゆく決して忘れてはいけない事。
潔癖過ぎる理念故に凶行に到る犯罪心理にも説得力がある。
要アイテム ribbon は無論 re:born(再生) の示唆か。

車窓越しの朧な相貌や、ひび割れた鏡面に写る歪な像等、当初はミスリード誘引の仄めかしだと思っていたのだが…。


ラストに提示される「掌を返すが如しメディアに ただ煽動されるが侭の移り気な世論」の姿が異様に映り、本当にこれで納得して良かったのだろうかと -この結末を信じて良いのだろうかと- 刹那躊躇う。




《劇場観賞/観賞券当選×2》