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ヘルレイザー ワールド・オブ・ペインの消費者のレビュー・感想・評価

3.2
・ジャンル
オカルトホラー/ダークファンタジー/サスペンス

・あらすじ
有能な新聞記者として業界でその名を馳せていたエイミーは編集長で彼女を引き入れた張本人でもあるチャールズにとあるビデオを見せられる
彼宛てに送られてきたというそれに収められていたのは“Deaders”と名乗る集団による女性を殺し蘇らせる不可思議な儀式の映像だった
そして彼女は映像で儀式の対象にされていた女性、カティアと組織の指導者、ウィンターを探し事の真相を調べ上げるべく一団の拠点であるブカレストへと向かう
その足でビデオの送り元であるアパートの一室を訪ねるエイミー
大量に虫が湧き、食物は腐ったまま放置され異臭を放つそこに残されていたのは新たなビデオテープと鍵
そして自殺したと思われるDeadersのメンバー、マーラの遺体が握りしめるパズルボックス…
理解の追いつかぬまま彼女はそれらを持ち去り新たなビデオを再生すると映し出されたのは助けを求めるマーラの姿
映像を観た彼女は更にマーラの警告も虚しくパズルボックスの封印を解いてしまう
やがてエイミーは幻覚に苛まれた末に自らもまたウィンターの儀式の標的とされてしまい…

・感想
“ルマルシャンの箱”と呼ばれるパズルボックスとそれが召喚する地獄の使者、セノバイト(魔道士)達、彼らを率いるピンヘッド等のもたらす恐怖を描いた「ヘルレイザー」シリーズの7作目

個々の地獄としての過去と向き合わされる、という5・6作目の流れを汲んだストーリーで今作は新聞記者のエイミーが幼少期に父から受けた虐待の過去との対峙へとDeadersの指導者、ウィンターとピンヘッドの手で誘われてしまうというのが大筋の内容となっている

オカルト集団と死者の蘇生、自らの生死が不明瞭になっていく展開という最も大きな2つの要素はまぁまぁ良かった
組織が儀式を行う場も雰囲気があって若干2作目の世界観を思い出す部分があったりと悪くない
ただ2作目のダークファンタジー性と5・6作目の幻覚描写をドッキングさせた様な内容でありながらどちらも上手く活かしきれてない印象

原因は恐らくグロさにも欠けていてピンヘッドもあまり出て来ず恐怖の源であるはずのDeadersも大した事をしない
この3点にあると思う
またエイミーの抱えるトラウマもモノクロにする事で現在に過去が入り混じっていく様子を描いたりと発想は良いけど分かりやすくキツい描写が無く勿体無い

総合的には5作目を除いた3〜6作目よりはマシだけど決め手に欠ける凡庸な作品という感じ
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