るるびっち

複製された男のるるびっちのレビュー・感想・評価

複製された男(2013年製作の映画)
3.5
主人公は宮崎謙介元議員だった!! と、いう話らしい。
なぜ宮崎かを説明するとネタバレに・・・ひとつの解釈に過ぎないから問題ないかな? 正解は不明なので、何を書いてもネタバレにならないか!!
(と、保険を打っておく。これで誰も訴えられない)



宮崎は妻の妊娠中に浮気してクビになった元議員。
つまり、妊娠中の妻がいて浮気したい男の罪悪感が生んだ妄想。
蜘蛛は浮気したい男の心を支配する女性の象徴。
主人公は心の中に天使と悪魔がいて、
「こういうのやめようよ」「ウルセー、お前の彼女とやらせろ」と互いに話していた。漫画によくある、主人公の肩に乗っかった天使と悪魔が喧嘩している図をクソ難しく描いた映画らしい。アホかいな。
他にも「多重人格説」「ドッペルゲンガー説」「クローン人間説」があるらしい。
どの説でもそれなりに解釈できる懐の深さがある映画とのこと。凄いようなテキトーなような・・・

「レビューは自分の考え方を知る道しるべ」と紹介文に書いています。
結局、自分のモノの見方が映画によって浮き彫りにされると思っている。
浮気願望の妄想というのは、つまらなかった(スケールしょぼ)。
浮気願望を持つほどモテないので、全然ピンとこないのだ。無念!!

勝手に思ったのは、パラレルワールドに居る、もうひとつの可能性があった自分と遭遇する話だ。
主人公のアダムは毎日の単調な生活。学校での講義、マンネリなセックスライフなどに飽きていて、自分そっくりだが違う生活をしている分身ともいうべき男を知る。それは、別の人生の可能性を発見した興奮だった。
「君の未来は可能性に満ちている」と安いドラマで子供に言う。逆を言えば大人になるというのは、可能性がなくなっていくということだ。
子供の頃は、サッカー選手、医者、弁護士、社長、漫画家、パイロットなど幾らでも夢は膨らむが、大抵そのどれにもなれない。
そんな退屈でつまらない生活が、別の生き方を発見した興奮。
興味深いのは『王子と乞食』みたいに極端にギャップがあるのではなく、女性のタイプが似ていたり、共通する部分があるところ。
「隣の芝生は青い」他人の生活はよく見える。自分の生活は秘密もなく単調。だが、そっくりさんでも他人なら、少しの違いや秘密が却って魅力的に感じられる。スティーブ・ジョブズと入れ替われるとは思わないけど、そっくりさんなら入れ替われる。
そう解釈した。
それは別の自分になりたい願望。あったかも知れない、もうひとつの人生の可能性。それらを映画の主人公に当てはめて観ていたからだろう。
今の私にとっては浮気より、そっちの話の方が魅力的だったのだ。
やはり、映画やレビューは自分自身を知る道しるべなんだな。

で、浮気願望の妄想と聞いて、しょーもなと思った。
でも半年後には急にモテだして、そんな見方に対して、
「そうそう!! わかる!! もうそれ以外考えられない、全然謎じゃない、え? あんた解んないの? 可哀そうにモテないんだね」と、言える人間になっているかも知れない。いや、そうなる!! なってみせる!!! きっと!!・・・・きっと!・・・きっと・・・(段々声が小さくなる)。
ハイハイ浅い人間が観ると映画も浅くなるんですよ、それが何か?
るるびっち

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