なんと言うべきか……後々から振り返ってみると結構異常なことが起こったりしてるんだけれど(赤く光る牛男が登場したり、自分の首を自分で引っこ抜いてしまう男が登場したり)、観ている間は「こういうのもこういう世界ならアリかもしれないな……」と思わせる不思議な説得力がある。というか、異常が日常に溶け込み過ぎていて、これは受け容れられない人にはとことん受け容れられない世界なんだろうなと思わされる。アピチャートポン・ウィーラセータクン『ブンミおじさんの森』のような……観ていてこの鑑賞体験に意味があるんだかないんだかさえよく分からなかったのだけれど、不思議と退屈はせずに観られたので自分としては基準点に据えているこの点数に落ち着いた。カルロス・レイガダス。天才なのか……何者!?