Mayo

マダム・イン・ニューヨークのMayoのレビュー・感想・評価

4.3
またとても素敵な映画に出会った。今度はボリウッド。ボリウッド映画は、絶対好きなカテゴリーなのになかなか追いつかず、まだまだ見たい作品がたくさん。

この作品は、ボリウッド映画にも関わらず、アメリカの描き方がとても上手だなと思った。アメリカ人から見たアメリカは知らないが、少なくとも私が留学したときに見えたアメリカはあんな感じ。
いるいる!こういう感じ悪い店員!あそこまでボロボロに打ちのめされたことはないけど、ああならない様に注文の仕方を研究したことはある。だからシャシの気持ちが痛いほど分かって、あのシーンは本当辛かった。
それから英会話クラスの面々。それぞれキャラクターがあってとても楽しい。
私の語学クラスにも、カザフスタン人やアラブ人、ロシア人、など多国籍で個性溢れる友人たちがいた。英語を学びに通ってるはずが、いつの間にかその英語でお互いの文化を語れることが喜びになっていくあの感じ。あれとっても楽しくて愛おしい時間なんだ。それが上手く描かれていて懐かしくなった。

脚本がとにかく巧くできている。というか好みなポイントがいくつも。
シャシとポールをつなぐ、「料理」が上手く2人の間にあって、嫌らしくない程度に登場する。クラスメイトのために作ったお饅頭?も、ポールがシャシのために作ったクレープも、アップはない。それが大事じゃないんだよね。気持ちを描くには。
それに、シャシとポールが母国語で気持ちを吐露するシーンがいくつも出てくるけど、何てドキドキするの!
意味は分からなくても、どんなことを言っているのか、表情や言い方で何となく分かっている。通じ合ってしまう。その感じに、分かりやすい浮気よりもよっぽどドキドキさせられた。
それにしても、飛行機の中で出会ったおじさんが後でも登場するんじゃないかと想像してたのに、まさかあの店で順番を譲った青年が繋がってくるとは!その辺りも好き。

最後、英語で家族を見返しちゃえ!と、家族を英語でまくし立てるとか英語でブチ切れるとか、そういうハッキリしたエンディングを、ある意味期待していたのに、見事に裏切られた。
すごく優しい終わり方に、旦那や娘にムカついてた私の怒りもスッと収められてしまった。あれじゃあポールも納得するしかないよね。

それにしても、インドの綺麗な人って、なんであんな美人なんでしょうか。色とりどりのサリーも美しいし、結婚式も本当に綺麗だし。女性の私でもシャシを見ているだけで、結構見ていられます。
あとはとにかく姪っ子がいい子すぎ!シャシは娘をあんな風に育てた方がいい。
Mayo

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