バンドの崩壊や解散でよく陥りやすい原因である「音楽の方向性の相違」(実は異性の取り合いだったり金銭トラブルだったり)…。
音楽を純粋に愛する天才肌のフランクとSNSを駆使したり売れ線狙いに走ろうとするジョンとの間でバンド内でも当然その対立が勃発。
なぜフランクが被り物をし続けるのかが後半判明するが、そういった部分も含めラストの演奏シーンやジョンの肩を落とした後ろ姿は何か物悲しい雰囲気で切ない…。
フランク役のマイケル・ファスベンダーの歌声はドアーズのジム・モリソンを彷彿。自分の表情を説明するシーンでは被り物の中の彼の顔を想像して笑える。
被り物の愛くるしさから勝手にコメディだと決めつけていたが、後半の重たい雰囲気から万人には決してオススメできないという不思議な作品。