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ビッグ・アイズのRのレビュー・感想・評価

ビッグ・アイズ(2014年製作の映画)
4.5
すごい話! 大きな悲しい瞳の少女の絵を、世間から隠れて描き続けた女性画家マーガレットキーンと、それをすべて自分で描いたものだと世間を騙し、富と名声を一時ほしいままにした彼女の夫の、屈折しきった関係を描いた映画。女性の地位が低く、社会的には取るに足らぬ存在と見なされ、思うまま自由に生きられなかった1950年代が舞台になってて、そんな中、娘がいて、離婚してて、仕事探すのも大変で、あぁどうしましょ、ってなってるときに、詐欺師の男にまんまと唆されて、どんどん世間から隔絶し、孤独な偽りの小さな世界に幽閉されていく主人公マーガレット。娘にさえも真実を伝えることができない彼女の苦悩が強く胸に迫るし、名声で頭の沸騰しきった詐欺セールスマンの夫が、無能なのにもかかわらず、口が上手くて、ビジネスの才もあり、どんどん大衆の心を掴んでいく様が、こいつサイテーやなと思わせながらも、そのまま直接、欺瞞と虚飾に満ちた現代社会の皮肉をあぶり出していて、実におもしろい。で、後半は、長い間の悶々感のあとおおおおお!ってな展開にり、クライマックスは笑いを誘い、最後はかなりスカッ!とした。エイミーアダムスの自信なげで弱々しくも魅力に溢れた演技がホントすばらしかったのと、クリストフヴァルツも若干怪演の仕方が食傷気味ではあるけど、それも含めてイライラくるうぜー感じが悪くなかった。あと映像、特に色がめちゃめちゃよかった! 最初のドライビングのシーンとかCGなんかな?ってくらいポップな色彩やし、ホントに最後までずっと目を惹く映像の連続やった。よかったですよ!
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