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お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいましたのwigglingのレビュー・感想・評価

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UK/USのリアルパンクを同時代で体験した自分的には、遅れてやってきた日本のパンクは嘲笑の対象でした。スターリンとかアナーキーとかバンド名からしてダサすぎるし、過激といわれるパフォーマンスも単なる馬鹿にしか見えず。
その代表選手、スターリンの遠藤ミチロウの2011年以降の活動を追ったドキュメンタリー。京都の異色映画会社シマフィルムの制作・配給ということで鑑賞しました。

彼の音楽はスターリン時代から面白いと思ったことはないし、本作で初めて聴いたソロパフォーマンスについても同様。プロジェクトFUKUSHIMA!の立ち上げや体制に阿らない姿勢については評価するも、ミュージシャンとしては自分の圏外かなと。
音楽家に対してこういう評価をするのはどうかと思うけど、還暦を過ぎて場末のライブハウスを転々とする生き方、よくいる説教臭いロック親父とは正反対の物腰の柔らかさと人柄の良さ、そんな彼の佇まいにはとても好感を持ちました。

寂れた地方の閉塞感と小さなライブハウスに息づく様々な想いが味わい深いロードムービーです。
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