メイプルわっふるG

ミッション:15のメイプルわっふるGのレビュー・感想・評価

ミッション:15(2013年製作の映画)
2.6
PTSDの軍人3名が軍医療施設のEVに閉じ込められる密室ワンシチュスリラー。
パニックを抑えつつ対応する彼らを観察するカメラ。それは軍上層部による〈極秘〉の心理実験だった。

作品紹介ですべてを語る親切設計。
意外性やどんでん返しを期待するのではなく、決まった設定をどのように表現しているかを楽しむ作品。

戦死者よりもPTSDによる自殺者が上回る軍の現代事情、と主題は真っ当。
カウンセリングでは賄いきれない心のケアを、投薬によって短期解決させるべく新薬開発。そして過激な臨床実験で効果の程を計る。

原題『EVENT 15』のままで良いと思うのだけれど。
実験段階は「EVENT+ナンバー」で進み、ラストに"緊急プロトコル事態(EVENT)15"が発動、とタイトル通り。
邦題にするにあたりナニカ抵触することでもあったのかな。

私事、学生時にやった臨床実験(被験者)のアルバイトでは、今作のような綿密なデータ収集はなく、もちろん過酷な状況や試練などなかった。
採血回数が多くて両腕が穴だらけになったけれど、それを除けば快適な日々。活字中毒者には桃源郷かと。

今作「軍の心理実験」を見るに当たり、前もって「スタンフォード監獄実験」を元にした『es [エス]』を再鑑賞。準備万端で臨んでみたものの、こちらはEVメインのワンシチュ映画だった。
それならば『デビル』(2011米)でEV見比べの方が面白かったかも。