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夏をゆく人々のNMのネタバレレビュー・内容・結末

夏をゆく人々(2014年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

イタリアの映画らしい作品。シュールなシーンも多い。現実的でもありファンタジックでもある。


イタリアの田舎で養蜂を営む一家。
父はとにかく頑固者で頭が固い。仕事人間で、長女のジェルソミーナは12歳だが一人前に仕事をしている。真面目で思いやりがあり従順。父とともに毎日仕事に明け暮れている。
他の娘たちはまだ小さくほとんど戦力にならない。
優しい母と少し変わり者の叔母も同居。二人とも父は怒鳴って面倒なのでいつも適当に受け流している。

ある日父と娘たちは、森でテレビ番組の撮影を見かけた。
ほぼ初めて観るであろう娯楽に虜になるジェルソミーナ。
そしてその番組が、この地域で伝統的産業を行う家族のコンテストを行うと発表。父に従うばかりだったジェルソミーナはこれに出ようと粘り強く頼む。一蹴していた父だがあまりにも粘るので最終的に出演することになった。
一家は立ち退きを迫られている。期限までに工場の設備を整えないといけないがそんな金はない。
コンテストで優勝すればその問題が解決する。

一家はある少年を預かることになった。
窃盗で少年院にいた幼い少年で、仕事を手伝い社会復帰を目指すプログラムのようだ。
父は一家に息子がいないこともあり、積極的に推し進めた。報奨金も出る。
この少年は何も喋らないが、仕事はじゅうぶんに手伝えた。繊細な性格で、コミュニケーションが非常に苦手な様子。

コンテスト収録の日。
一家はロケ地である近所の小島へ向かうが、他の家族の熱意に勝つことができなかった。
その夜、少年は急に叔母に触られた途端走り出し、そのまま行方不明になった。
探し回ったもののロケ隊と出演客の乗った船は出発。

その後、ジェルソミーナは単独であの小島へ向かい、無事少年を見つけ出した。しかしプログラムに違反し連れ戻されたようだ。
一家は家を失ったが、地べたでくっついて寝る自体になって別の何かを得たのかもしれない。
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