横川シネマにて。
同じ三大映画祭週間のイスラエル映画『フットノート』の方は、文化的には自分たちとそんなに違いを感じなかったけど、こちらはユダヤ教色が強い社会を描く。同じ国なのにこんなに違うの?
そこは宗教的な規律や戒律が重視される社会で、重要なことはすべてラビにお伺いをたてる。ラビが許さなければ結婚もできない。って、めんどくさー。あと、男性の妙ちきりんなファッション、死ぬほどダサいよ...。
お話は、出産で死んでしまった姉の夫と自分の再婚について、自分の気持ちと家庭の事情の間で揺れる少女の気持ちを描いたもの。本心では結婚したいんだけど、ラビには「家族のために結婚する」と言ってしまい結婚を許してもらえない。伝統を重んじる社会にありがちな抑圧ですね...。
紆余曲折を経て本心を打ち明け結婚と相成るんだけど、それに至るまでの少女の心の動きが実に瑞々しく感動を覚える。
ユダヤの女性(男性もそうだけど)は何故そんなにも結婚にこだわるのかが良く分からなかったんだけど、これは単に国民性の違いだろうか。結婚して幸せな家庭を築く事が人生の最大の目的とでも言わんばかりの。彼らからしてみると日本の方が異常だと言われそうだけど、この点に関してだけは自分は日本人で良かったと思ったり。
『フットノート』の感想にも書いたけど、イスラエル国民の大半がガザへの攻撃を支持しているという件、本作が描く社会であれば納得が出来る気がした。長い間自分たちの伝統を守り抜いてきた民族故の外部からの干渉に対する怒りは強烈だろうなと。作品内では激しい感情の発露などはなかったけど、怒らせるとすごく怖そうだし。難しいなぁ...。