2014.8.31 渋谷ヒューマントラストシネマ
韓国で550万人を超える大ヒットを記録した90分の同時進行型のテロ映画。
自らの不祥事で花形のテレビ局からラジオ局に左遷された国民的アナウンサー。そんな彼の番組でリスナーからの爆破予告が。そして実際に起こる爆破事件。
この映画は単純なテロ映画に留まらず、この事件の話題性を活かしテレビ局の復帰を目論むハ・ジョンウ演じる主人公や視聴率最優先に事を進める上司、はたまた犯人側が謝罪を要求する過去の過失を認める事のない国家など、私利私欲にまみれた人物達がうごめいている。
主人公は唯一犯人との交渉役になると同時にイヤホン型の爆発物を仕込まれ命の危機に陥る。主人公は爆破によって奪われる人々の命を間近に感じ次第に気づくメディアのモラルの問題や国の傲慢さ。リアルタイムという設定が人物の倫理が変化していく点を面白くとらえ緊迫した雰囲気を作り出す。
若干32歳のキム・ビョンウ監督はかなり尖っているなとラストシーンを見て感じる。でもこの尖り方が格好良く尊敬する。これは是非劇場で見てもらいたいものだ。
ただ伏線の貼り方などの工夫がもっとあれば楽しめた。少し無駄なリアルタイムの時間として感じてしまったのが正直な感想です。
ハ・ジョンウが出る作品はヒット率が高いと聞く。私も『チェイサー』を見て震えたし彼の出ている作品は好きだ。
でも大鶴義丹にしか見えないのは、私だけだろうか？
